すべての大学の授業が変わる!? 東大が大規模国際オンライン講座「ムーク」に参入-渡辺敦司-
2013.3.29 15:00 [受験情報]
東京大学はこのほど、世界に向けて大学の講座を無料でインターネット配信する「大規模公開オンライン講座(Massive Open Online Course =MOOC、ムーク)」の一つに参加することを発表しました。国際的に通用する大学であることをアピールするのが狙いですが、こうしたオンライン講座の広がりによって、将来的には学内の授業(対面授業)の在り方も変わるかもしれないといいます。いったい、どういうことでしょう。
東大が参加するのは、米スタンフォード大学の教員2人が設立したベンチャー企業「コーセラ(Coursera)」が提供するサービスです。2012(平成24)年1月の設立にもかかわらず、スタンフォード大学はもとよりコロンビア大学、プリンストン大学(以上米国)、トロント大学(カナダ)、ロンドン大学(英国)など名だたる62大学が参加し、223科目を提供。登録者数は世界270万人に上るといいます(2013<平成25>年3月現在)。東大は9月から、藤原帰一・法学政治学研究科教授の「戦争と平和の条件」と、『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎)などの著書でも知られる村山斉・カブリ数物連携宇宙研究機構長の「ビッグバンからダークエネルギーまで」という文・理2講座を英語で配信することにしており、世界各国から数万人の受講を見込んでいます。
ムークにはコーセラのほか、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学(いずれも米国)が共同設立した非営利組織「エドエックス(edX)」(世界12大学24科目、登録者70万人)、スタンフォード大学の教員3人が設立した企業「ユーダシティ(Udacity)」(教員個人の参加で22科目、登録者数40万人)が同時期に開講されており、2013(平成25)年春には英国12大学が設立する非営利組織「フューチャーラーン(Futurelearn)」も開講される予定です。このように国境を越えたオンライン講座は爆発的な広がりを見せており、世界の大学関係者の話題もムーク一色だといいます。
東大といえば日本で最も有名だと自他ともに認める存在ですが、世界的に権威のある「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」誌の2012-13年世界大学ランキングでは27位(前年30位)に過ぎず、「世界中には東大を知らない学生がたくさんいる」(江川雅子理事)のが現状です。これから積極的に世界へ打って出ようという東大にとって、ムークを通した優秀な学生の獲得競争の流れに乗り遅れてはいけないというわけです。
さて、このように世界を股に掛けた壮大な話になると、東大以外の多くの学生にとっては関係ないと思ってしまうかもしれません。しかし、そうではないようです。東大は、今回の2講座での参入を「反転授業」のための実証実験と位置付けています。反転授業とは、まず基礎的な内容をオンラインで予習したあとに、対面授業では学んだ内容を発展させる形式の授業です。これに対して従来の授業の場合は、予習が前提とされながらも、知識を学ぶのは対面授業が中心で、内容を深めるのは個人の復習に任されているのが実態でした。こうした関係を「反転」させるのが、反転授業です。知識を覚えるだけならオンラインで十分であり、対面授業ではより高次の能力を身につけさせることに力点を置こうというわけです。
実はムークに参加を決める前から東大は、「東大TV」にてインターネットを通した公開授業を始めています。そこに加えて、さらに今回の世界レベルのオンライン講座「ムーク」に参加することになったのです。
こうしたオンライン講座が充実し、反転授業の形式が一般的になってくれば、授業に漫然と出席して聴いているだけでは、とてもついていけなくなります。吉見俊哉副学長は、英語による授業の拡大も含めて「大学全体の教育を変える可能性がある」と説明しています。
国内トップの東大が参入すれば、ほかの大学も追従することは必至です。大学の学びが大きく変わるのは、そう遠くない将来なのかもしれません。
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そう遠くない将来、僕も非常勤は辞めてムークを聴講したいな。
2013.3.29 15:00 [受験情報]
東京大学はこのほど、世界に向けて大学の講座を無料でインターネット配信する「大規模公開オンライン講座(Massive Open Online Course =MOOC、ムーク)」の一つに参加することを発表しました。国際的に通用する大学であることをアピールするのが狙いですが、こうしたオンライン講座の広がりによって、将来的には学内の授業(対面授業)の在り方も変わるかもしれないといいます。いったい、どういうことでしょう。
東大が参加するのは、米スタンフォード大学の教員2人が設立したベンチャー企業「コーセラ(Coursera)」が提供するサービスです。2012(平成24)年1月の設立にもかかわらず、スタンフォード大学はもとよりコロンビア大学、プリンストン大学(以上米国)、トロント大学(カナダ)、ロンドン大学(英国)など名だたる62大学が参加し、223科目を提供。登録者数は世界270万人に上るといいます(2013<平成25>年3月現在)。東大は9月から、藤原帰一・法学政治学研究科教授の「戦争と平和の条件」と、『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎)などの著書でも知られる村山斉・カブリ数物連携宇宙研究機構長の「ビッグバンからダークエネルギーまで」という文・理2講座を英語で配信することにしており、世界各国から数万人の受講を見込んでいます。
ムークにはコーセラのほか、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学(いずれも米国)が共同設立した非営利組織「エドエックス(edX)」(世界12大学24科目、登録者70万人)、スタンフォード大学の教員3人が設立した企業「ユーダシティ(Udacity)」(教員個人の参加で22科目、登録者数40万人)が同時期に開講されており、2013(平成25)年春には英国12大学が設立する非営利組織「フューチャーラーン(Futurelearn)」も開講される予定です。このように国境を越えたオンライン講座は爆発的な広がりを見せており、世界の大学関係者の話題もムーク一色だといいます。
東大といえば日本で最も有名だと自他ともに認める存在ですが、世界的に権威のある「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」誌の2012-13年世界大学ランキングでは27位(前年30位)に過ぎず、「世界中には東大を知らない学生がたくさんいる」(江川雅子理事)のが現状です。これから積極的に世界へ打って出ようという東大にとって、ムークを通した優秀な学生の獲得競争の流れに乗り遅れてはいけないというわけです。
さて、このように世界を股に掛けた壮大な話になると、東大以外の多くの学生にとっては関係ないと思ってしまうかもしれません。しかし、そうではないようです。東大は、今回の2講座での参入を「反転授業」のための実証実験と位置付けています。反転授業とは、まず基礎的な内容をオンラインで予習したあとに、対面授業では学んだ内容を発展させる形式の授業です。これに対して従来の授業の場合は、予習が前提とされながらも、知識を学ぶのは対面授業が中心で、内容を深めるのは個人の復習に任されているのが実態でした。こうした関係を「反転」させるのが、反転授業です。知識を覚えるだけならオンラインで十分であり、対面授業ではより高次の能力を身につけさせることに力点を置こうというわけです。
実はムークに参加を決める前から東大は、「東大TV」にてインターネットを通した公開授業を始めています。そこに加えて、さらに今回の世界レベルのオンライン講座「ムーク」に参加することになったのです。
こうしたオンライン講座が充実し、反転授業の形式が一般的になってくれば、授業に漫然と出席して聴いているだけでは、とてもついていけなくなります。吉見俊哉副学長は、英語による授業の拡大も含めて「大学全体の教育を変える可能性がある」と説明しています。
国内トップの東大が参入すれば、ほかの大学も追従することは必至です。大学の学びが大きく変わるのは、そう遠くない将来なのかもしれません。
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そう遠くない将来、僕も非常勤は辞めてムークを聴講したいな。