気まぐれ何でも館:(534)山崎方代(伽葉)(最終回)
鶏は朝の卵を生み落し一日のつとめ上げてしまえり
職歴はおこがましいが無職業古稀を迎えることにはなりぬ
まつかさをつぶして松の実を集めその日の夜の酒代(さかて)にかえる
ほととぎす水引草も咲きつぎて小屋のあたりの秋はゆくなり
青松葉くべたる灰を少しまき春蘭の根をあたためてやる
何処かできっと一人ぐらいは待っている水仙の葉が土をはみ出る
戦争が終った時に馬よりも劣っておると思い知りたり
このようになまけていても人生にもっとも近く詩を書いている
八階の病床にありてしみじみとめしをたべてるうたをよんでいる
うつし世の闇にむかっておおけなく山崎方代と呼んでみにけり
ま夜中をひとり静に茶をたてて心の中をあたためておる
13.3.23 抱拙庵にて。