内戦状態」に突入した米国の女性たち

頑張らないから報われない、と言われても・・・

2013.03.18(月) 石 紀美子


現在の米国で最も影響力のある女性の1人とされるSNS大手フェイスブックの幹部、シェリル・サンドバーグ(43歳)がバッシングを受けている。

 今月発売された彼女の著書『Lean In』は、発売前から論争を巻き起こしていた。本のタイトルの意味は、「もっと身を乗り出して」「もっと厚かましく」「もっと割り込んで」というような訳になるだろうか。女性に対して、遠慮せずにもっと貪欲に出世を望めというのが主要メッセージの1つだ。

 企業のトップにいまだに女性が少ないのは、女性自身が高望みをしないように自身を制したり、まだ結婚もしていないうちから将来の家族設計を考えて出世を望まない傾向があるからだ、と述べている。

 彼女の言わんとしていることをよく理解せず、一部だけ要約して読んだ女性たちは激高した。「女性の社会進出が進まないのは我々のせいだというのか」「これ以上努力できないほど頑張っているのに、努力が足りないような言い方はどうか」などの感情論が全米に巻き起こった。

 サンドバーグをバッシングしているのは米国の女性たちである。男性たちは怯えたような顔つきで口を一文字に結んで沈黙している。ここで何か間違えたことを言ったら、大変なことになると分かっているからだ。

 米国で著名なキャリアウーマンがバッシングの嵐に見舞われるのは、この1年で3人目である。論争の共通テーマは女性の社会進出だった。

 こと女性問題に関すると、米国は女の内戦状態に突入した感がある。一体なにが彼女たちをそこまで逆上させるのだろうか。そこには、米国人女性たちの厳しい現実が背景にある。

「我々の代弁者のように振る舞うのが許せない」

 まず、この1年バッシングを受けた女性3人を紹介しよう。前述したサンドバーグは、ハーバード大学を卒業し、同大学でMBAを取得している。大手コンサルタント会社を経て、当時財務長官だったローレンス・サマーズの元で働き、その後グーグルに転職。会社の急成長に大きく貢献した。その後はフェイスブックにCOO(最高執行責任者)として迎えられ、同社の成長を支える中心人物となった。

 年収はおよそ30億円。夫は会社経営者で、小さな子供が2人いる。彼女がバッシングを受けた理由は、女性に「もっと野心を持て」と書いた本が理由だった。


 2人目はプリンストン大学教授で著名な国際政治学者、さらにはヒラリー・クリントン国務長官の元で政策企画本部長を務めたアン・マリー・スローターである。彼女は、国務省の仕事を2年で辞めなければならなかったのは、難しい年頃の息子たちのためで、いまだに女性は家庭のことで仕事を犠牲にしなければならない、という記事を書いてバッシングを受けた。

 3人目は、妊娠中にヤフーのCEO(最高経営責任者)に就任したマリッサ・メイヤーだ。妊娠中に重責の仕事を引き受けたことでバッシングされ、出産後たった2週間で仕事に戻ったことで批判された。最近では女性問題とはまったく関係ないところで、社員全員に自宅で仕事をすることを禁じたことが、なぜか「子育てしながら働いている女性を罰するような処置だ」ということでバッシングされた。

 最も多く聞いたのは、この超エリート女性たちが我々の代弁者のように振る舞うのが気に食わないという意見だ。米国のほとんどの女性と何の共通点もないようなスーパーウーマンが、分かったような顔をして女性問題を語るのが許せないというのである。

 確かに3人とも、超高学歴、成功街道を馬車馬のように走ってきた向上心の塊(かたまり)のような女性たちだ。しかもエリートの夫がいて、子供までいる。おまけに美人だ。

 クビにされることに怯えながら、生活のために好きでもない仕事を続けている世の中のシングルマザーや、結婚願望が強いのになかなか自分と釣り合うような男性を見つけられない女性が面白くないと感じるのは責められないだろう。

米国人女性を押しつぶす「成功」のプレッシャー

 米国人女性が感じる「成功しなければならない」というプレッシャーは壮絶だ。仕事だけでなく、生活のすべてが他人から賞賛されるような状態でなければ、挫折感を味わうような状態だ。

 仕事ができても、結婚、もしくは内縁関係のパートナーがいなければダメ。できれば子供も欲しい。容姿端麗でファッションセンスがなければ相当なマイナス。他にも多趣味で社交的で、エネルギッシュで、何らかのスポーツに優れていればかなり良い・・・と、彼女たちが描く成功した女性像は表面的で、かつほとんど達成不可能なものだ。

 当然、この完璧な女性像に近づける人は少なく、これが慢性的かつ集団的な不安と自信喪失につながっている。常に自分と他人を比較し、嫉妬したり、自己否定したりと不安定な精神状態にある。

 というわけで、成功した女性たちにはとりわけ厳しい。成功した女性が少しでも否定的なことを言えば、猛反撃に出る。

女性の出世を阻む本当の原因とは

 サンドバーグが言うように、確かに米国でさえ女性の社会進出は決して十分とは言えない。大企業のトップも政治の世界も、女性は依然として少数派だ。

 ただ筆者から見ると、多くのフェミニストが語る「企業のトップも政治も男女の比率が同じにならなければならない」というメッセージが米国人女性の混乱を生み出しているような気がしてならない。

 男性が作った社会システムの中に割り込んでいくことが、本当に女性が望むような社会進出なのだろうか。「男性並みに」という概念そのものが、何もかも犠牲にしてがむしゃらに働く女性を賞賛するような文化を作ってはいないか。男性が成功と見なすことを目指す行為そのものが、反フェミニズムなのではないか。

 バッシングを受けた3人の女性たちは、女性が感じる社会の壁をあれもこれもと述べているため、読み手や聞き手の混乱を招いているようだ。しかし、彼女たちの言わんとすることをよく読み込んでみると、共通点が見えてくる。

 先進国の女性は、かなりの自由を獲得した。すでに「社会の弱者」という立場からは脱却している。勉強も仕事も制度的な不公平はない。それでも女性の社会進出が進まないと感じるのはなぜか。それは、次のステップが見えないからである。

 そもそも女性の出世を阻んでいるものは何か。「それは子育てだ」というのが彼女たちの共通した意見である。子供ができるまでは、男性と変わらず仕事をこなすことができる。しかし、子供ができると事情は一変する。現在の女性は、子育てのために第一線から退かざるを得ないか、将来的に子供が欲しいので出世街道を自ら降りてしまう、というわけだ。

 だから次のステップは、親が自分の子供を育てながら、どのようにキャリアを続けていくかというシステム作りにある。子供の面倒を見るのは、男性でも女性でも構わない。この新しい社会システムを構築することで、新たな問題がよりクリアに見えてくるだろう。女性たちの自己研鑽が足りないというわけでは決してない。彼女たちが言いたいのは、最終的にはこういうことだと感じた。

 米国の女性たちが進もうとしている方向が、果たして正しいのかどうかは分からない。世界の女性の手本になるか、反面教師になるのか、この問題は続きが楽しみである。

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ちょっと前から最近までカツマーのFacebookを見ていたのですが、見るのを止めました。頑張り屋さんなんですが、見てるだけでこちらがしんどくなるんですね。ちょっと一息ついてのんびりすると、ずるずると体重は増えるし、ゴルフの腕は落ちるし、頑張る向上心も怪しくなるのだろう、だから自分に鞭を打つ一種のS&Mだと思いましたね。

今日本で子供など生んでいたら自己実現ができないし、第一メンドーだという理由で2~30代女性で子供を作る気のない人が60%位になっているらしいです。カツマーはバツイチでお嬢さんがいるようですが、あの食事を付き合わされているかと思うとかわいそうな気がします。

ところで自己実現ですが、男性と互して出世することだけが自己実現か、というところが私には疑問です。男性でも出世してバリバリ仕事をして年収何億何十億というのがほとんどビョーキとしかうつらないんですけどね。女性で言えば子供とゆったりした時間を持って手間暇掛けてお料理をする、その合間に少しずつ好きな勉強を頑張るというよりは楽しむ、場合によっては何らかのボランティア活動をすると言う方がよっぽど自己実現していると思うんですがねぇ~。