気まぐれ何でも館:(533)山崎方代(伽葉)(9)
  
 本当の嘘をまじえたお話をして少女子(おとめご)の心ほぐせり
  
 泡盛を時間をかけて飲み下し地獄の底へ落ちて行く
  
 股間に短い竿を付けておるキリスト様は男なりけり
  
 手のとどく己がめぐりに陣を張り銀杏の落ちるを待っている
  
 学校は出ていないけどお天気の土方仕事はお手のものなり
  
 このように生きているのを何となく心苦しく思わないでもない
  
 河石を三つならべて日本の庄内米を炊いて食べたり
  
 一度だけ候文で恋文をこさえてつけしことがありにき
  
 格安の墓地を買うたという便り一字一字のかなしかりけり
  
 桑の実が色づいておる少年は初めてのキスにまだ酔うている
  
 かたむける小屋をささえるようにして蕗の薹が咲いていた
  
 掌に柿の壺花を拾いあげ花のたくみに息のみにけり
  
 久遠寺のしだれ桜の花の下にいつも少女が一人待っている
  
13.3.16 抱拙庵にて。