安倍政権 適用拡大論が再燃


2013年2月28日 東京新聞朝刊


 第二次安倍内閣の経済政策「アベノミクス」は、三本の矢の一つとして規制緩和による成長戦略を描く。今月十五日の政府の規制改革会議は、労働規制の緩和策として成果主義の色合いが強い裁量労働制の適用拡大も検討課題の一つに挙げた。

 経団連の担当者は「適用要件が厳しい」と現行制度への不満を漏らす。導入件数は増加傾向にあるが、全事業所の1%に満たない。経営側からは「使い勝手の悪い制度」と言われ続けてきた。

 安倍首相は前政権時に裁量労働制を進めた「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を目指した。一定以上の年収のホワイトカラーを労働基準法で定めた労働時間(一日八時間、週四十時間)の規制から外すという制度だったが、「残業代ゼロ法案」と世論の反発を受け、二〇〇七年に法制化を断念した経緯がある。

 当時、政府の諮問機関メンバーだった八代尚宏・国際基督教大学客員教授は「本来は残業に依存した働き方と比べて、時間を効率的に使った働き方が不利にならない面もある。自分の裁量で働く人が増える中、現行制度では不十分」と述べる。

 国際競争が激化する中、ホワイトカラーの生産性向上へ「働きたい時間に自由に働ける制度を」という要望は根強い。トヨタは昨年、労使協議でホワイトカラーの裁量労働制の適用を拡大した。

 規制改革会議の検討課題には、ホワイトカラー・エグゼンプションに似た制度の創設も盛り込まれた。昨年九月、経団連が政府に要望していた。経団連は「働き方の選択肢が広がり、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の効果も期待され、会社と働く人の双方にとってメリットがある」と主張する。

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私が会社時代、最初の2,3年は仕事が面白くて、しかも人員配置が不適切なため、月120時間以上の残業(休日出勤を含む)をして組合で問題になったことがあります。残業代で部長より給料は多かったです。年収ではボーナスが少ないので大したことはないのですが。その代わり仕事は覚えましたね、急速に。
アメリカのエグゼクティブは目茶苦茶働いて2~3年で副社長(日本で言うと部長)になるらしいですが、私も3年で部長が勤まるなと思いましたけど、日本では10年くらいは同じ仕事をやるんですけどね。今はどうか知らないですが。