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 田坂広志 「風の便り」 特選  第79便    
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 二人の石切り職人



 旅人が、ある町を通りかかりました。
 その町では、新しい教会が建設されているところであり、
 建設現場では、二人の石切り職人が働いていました。

 その仕事に興味を持った旅人は、
 一人の石切り職人に聞きました。


  あなたは、何をしているのですか。


 その問いに対して、石切り職人は、
 不愉快そうな表情を浮かべ、
 ぶっきらぼうに答えました。


  このいまいましい石を切るために、
  悪戦苦闘しているのさ。


 そこで、旅人は、もう一人の石切り職人に
 同じことを聞きました。

 すると、その石切り職人は、
 表情を輝かせ、生き生きとした声で、こう答えたのです。


  ええ、いま、私は、
  多くの人々の心の安らぎの場となる
  素晴らしい教会を造っているのです。



 どのような仕事をしているか。

 それが、我々の「仕事の価値」を定めるのではありません。


 その仕事の彼方に、何を見つめているか。

 それが、我々の「仕事の価値」を定めるのです。



 2002年9月19日
 田坂広志


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仕事に貴賤はないということが納得できますね。