住まいは、全員健診は… 京滋避難者、訴え切実

復興庁職員を招き、避難者らが健康不安や二重生活の苦悩を訴えた公聴会(昨年11月、京都市伏見区・呉竹文化センター) 福島第1原発事故で京都や滋賀など関西に避難してきた人たちが、「原子力事故による子ども・被災者支援法」に基づき、被災者や避難者の生活支援を具体化するよう国に求める動きが活発化している。同法は理念を掲げるが、適用の対象地域や施策を定めていない。避難者は自主的に国会議員や復興庁職員を招き「避難の実態に合った内容に」と声を上げている。11日で震災から1年10カ月を迎える。

 「3年間の住宅支援が終わった後、生活がどうなるか全く見通せない」「私たちが測った放射線量と国の発表した数字が違う。国は正しい汚染地域を把握しているのか」

 子どもを持つ京滋の避難者ら10人が復興庁職員に避難生活の不安や不満を爆発させた。昨年11月に京都市伏見区であった公聴会。国に直接意見を伝えようと、京都の支援団体が開いた。強い口調で迫るだけでなく、涙を流す人もいた。

 要望の中身は多岐にわたった。「低線量でも被ばくした全ての人に健康診断を実施すべき」「母子のみで避難している家庭に母子家庭と同じ支援を」「保養を義務化して子どもと大人に安心な場所を与えて」「被災者を雇う企業に支援ができないか」…。予定していた2時間はあっという間に過ぎた。

 支援法は超党派の議員立法で昨年6月に成立した。原発事故で被災した子どもや妊婦の医療費減免を盛り込み、原子力政策を推進してきた国の社会的責任と財政支援を明記した。施策の実現に向けては、被災者や避難者の意見を取り入れて基本方針を定めるよう義務付けている。

 このため、支援法の具体化を求める動きは各地で盛んだ。関西の避難者でつくる「子ども達の命を明日の未来につなぐ会」は昨年11月、現職の国会議員を京都に招いて支援法の勉強会を開いた。京都市役所でも12月、避難者が市に、子どもの定期的な健康診断や雇用の確保など8項目を要望した。

 この席で、幼い子ども3人と福島県いわき市から避難している大森美弥さん(29)=伏見区=は京都市の担当者に「支援がなければ戻らざるを得なくなる。もうちょっと自分のこととして考えてください」と訴えた。

 復興庁は今月下旬から2月に基本方針を策定する予定だ。担当者は「被災者の方だけでなく、NPOや立法にかかわった国会議員からの要望も含めて意見を聞いている」と話す。ただ、基本方針や具体的な支援策が、避難者の要求にどこまで添えるかは不透明だ。多額の費用が伴ったり、国の指針に合わない施策は、所管する各省庁の反発が予想される。

 東京から4歳の息子と避難し、公聴会や勉強会に参加した中村純さん(41)=左京区=は「私たちが求めているのは被災者として当然の権利。被災者が懇願して支援を求めなければならないことはおかしい」と強調する。

<原子力事故による子ども・被災者支援法>福島第1原発事故を受け、一定基準の放射線量地域の居住者らに対し、健康不安や生活負担を考慮して支援する法律。チェルノブイリ法を参考に立案され、被災者が正確な情報を得られる権利や、子どもの生涯にわたる健康診断実施などが明記されている。支援対象者には自主避難者も含まれる。

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京都新聞の情報ですが、これは避難している場所が違っても、同じような事情があると思います。