=======================================================
田坂広志 「風の便り」 特選 第72便
=======================================================
「不動心」の本当の意味
何年か前、人間の「不動心」について、
興味深い心理学的実験が行われました。
最近、座禅の修行を始めたばかりの若者と、
永年、禅寺での修行を積んだ禅師の二人に、
脳波の測定実験を行ったのです。
最初、二人同時に、
座禅による瞑想状態に入ってもらい、
その脳波をそれぞれ測定したところ、
二人の脳波は、いずれも、
整然とした「アルファ波」を示しました。
そこで、二人を驚かせるために、
突如、大きな音を立てたところ、
二人の脳波は、いずれも、
大きく乱れた波形を示したのです。
結局、永年の厳しい修行を積んだ禅師も、
決して「不動心」ではなかったのです。
しかし、実は、
その後の二人の脳波が、
大きく違いました。
若者の脳波は、音が静まった後も、
いつまでも乱れ続けたのですが、
禅師の脳波は、すみやかに、
もとの「アルファ波」の状態に戻ったのです。
この興味深い実験結果は、
「不動心」の本当の意味を、教えてくれます。
「不動心」とは、
「決して乱れぬ心」のことではなく、
「乱れ続けない心」のことなのです。
2002年7月4日
田坂広志
=============================
無心になるとか、色々悟り?的なものを求める人に、それが自己目的化している人が多いように思います。ようするに長い人生には色々あるでしょうけど、人間は最終的にいい人生が送れたらいいのであって、悟りにこだわって着実に人生を歩めていないのは悟りというものをまだ何か分かっていない、と思います。物音にびっくりしても、それが問題がないものなら、すぐに平常心に戻ればいいんですよね。何があっても平気というのは石頭心じゃないでしょうか。