超電導線で「超節電」 関電と住友電工が共同実証実験へ

送電ロス大幅軽減 全国に敷設すれば原発3基分にも

 関西電力と住友電気工業が電気抵抗がゼロになる超電導線を使った送電の実証実験を1月中に大阪市内の工場で始めることが2日、分かった。一般に使われる銅線に比べ、超電導線は送電ロスが約2分の1で、電気を有効利用できる。超電導線の実験は国内2例目だが、電気の消費者である企業側の工場で行うのは初めて。電力不足問題が解消しない中、全国の送電網をすべて超電導線に置き換えた場合、原子力発電所3基分(約300万キロワット)の節電につながる。

 実証実験は、大阪市此花区の住友電工大阪製作所内で行う。超電導線の実験については、すでに昨年10月から東京電力、住友電工などが東電旭変電所(横浜市)で実施している。ただ、東電の実験は電力会社の使用を想定しているのに対し、今回は企業の工場を対象にしているのがポイント。工場での実験により、ユーザーの声を迅速に吸い上げて実用化を急ぐ。

 具体的には、超電導線で作った50メートルの送電ケーブルを、住友電工大阪製作所内で実際に使用している銅ケーブルと取り換え、トラブルなく安定的に送電できるかを確認する。

 実験期間は約1年間。製鉄所やデータセンターなど電気を大量消費する拠点で敷地内の銅線を超電導線に置きかえれば、2割以上の電気代の節約が可能といわれる。住友電工は実験終了後、来年早々にもこの超電導線の受注を始める。

一方、関電は今回の実験結果を参考に、高効率の電力供給システムであるスマートグリッド(次世代送電網)における超電導線の活用を探る。

 超電導線は、平成16年に住友電工が世界で初めて量産化に成功。電気は主に銅線を使って交流状態で送られており、途中で約5%が失われる。これに対し、今回の実験で使用される交流状態の超電導線は送電ロスが約2・5%。将来的に送電網を直流状態にすれば超電導線のロスは銅線の20分の1にまで軽減される。

 超電導線の線材コストは銅線よりも割高だが、同じ断面積なら銅線の200倍の電気を流せ、コンパクト化できる。このため、地中に敷設する際に新たにトンネルを掘る必要がなく、建設コストは従来の約半分といった特徴をもつ。

 超電導線による送電実験は米国、中国、ロシアなど各国で進められている。しかし、日本はもともと電力網が他国より整備され、高い安定供給を維持してきたため、超電導線への取り組みは遅れていた。

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 超電導線 マイナス200度程度以下の温度で冷却すると、電気の流れを妨げる抵抗がゼロになるという超電導現象を生かした電線。住友電工が平成16年に世界で初めて量産化に成功した。自動車のモーターに使うと走行距離が2割延びるなど、多方面での利用が検討されている。

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神戸大で電気電子の学生さんを教えているのですが、電気抵抗のための送電ロスがすごいから、君らそれを何とか考えてみ、ゆうて数学の講義の息抜きに言っていたのですが、単純には電線を太くする・・・これは長距離の場合が多くコストがかかるし、地元小口発電でまかなうのもまだまだだしと思っていたら超伝導を実現すると抵抗がゼロになるというのに目を付けたんですね。常温超伝導が現実の物になってきた現在、言われてみれば成る程です。