中国レアアース企業、苦境 対日「禁輸」が影響

 【北京=吉岡桂子】電気自動車などに使われるレアアース(希土類)を開発・生産する中国企業の経営が悪化している。世界的な不景気に加えて、最大のお客の日本企業が代替品の開発を進めたり、中国以外に調達先を広げたりしたためだ。尖閣問題をめぐる対立で2年前、中国が日本へ「禁輸」したことをきっかけに市場の構造が変わりつつある。

 最大手の内蒙古包鋼稀土高科技は23日から1カ月間の予定で、一部の工場の生産を休止している。上海証券取引所に提出した資料では「価格を安定させるための措置」と説明。今年下半期、レアアース市場は値下がりが続き、取引量も減っていると指摘した。同社は7~9月期決算で純利益が前年同期比で9割減り、大手のアモイ●業(●はかねへんに烏)もほぼ半減した。

 中国メディアによると、今年のレアアースの生産量は6万~7万トンで、ピーク時から半減するとみられている。中国に調達先が偏るモーターや電池に使われる重希土類のジスプロシウムについても「世界的な不景気で需要も鈍っているうえ、日本企業は在庫も抱えており、落ち着いている」(篠田邦彦・石油天然ガス・金属鉱物資源機構北京事務所長)状況だ。

 大手ばかりではなく、中小業者の多くも開発や生産の一時停止に追い込まれており、一部メディアは「レアアース冬眠」(時代週報)と伝えている。

 中国は世界のレアアースの9割余を生産。2000年代後半から資源や環境の保護を理由に、乱立する企業を集約し、生産や輸出を絞ってきた。10年秋には、尖閣諸島沖の漁船衝突事件を受けた対抗措置として、レアアースの日本向け輸出を一時停止。翌夏には多くのレアアースで価格が10倍以上に高騰していた。