著者は朝日新聞学芸部員などを経て、演劇評論家。

若い頃の学芸部員時代の作家との交流、これがまず面白い。私は小説はあまり読まないが、作家の奥さんや子供の書いたものは比較的よく読むのですが、この本でも作家の生の素顔に触れることができますね。そういうのは創造の秘密とでもいいますか、数学の研究に役立ちます。

あと演劇関係の人の話。監督、演出家、俳優、劇作家など、特に晩年癌におかされたときの宇野重吉の芝居にかけるど迫力のある執念みたいなもの、それが宇野重吉の人柄かほんわかしてるんですね。

まあ、著者は書くことで飯を食っていたようなものだし、この本の元になっているのはカルチャーセンターで文章教室みたいなものの講師をやっていて、そこで生徒さんの発表する会誌みたいなものに寄稿したものですから、当然名文です。