シリア政府が声明 山本美香さんの銃撃死に謀略説

2012年8月27日(月)10時0分配信 日刊ゲンダイ



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 シリア北部で取材中に銃撃されて亡くなったジャーナリストの山本美香さん(45)。遺体は25日にも日本に到着する見通しだが、山本さんの死をめぐって、ある「陰謀説」が飛び交っている。ズバリ、「山本さんは、反体制派のプロパガンダに利用されたのではないか」との疑惑だ。

 山本さんのシリア入国を手引きし、同行取材させたのは反体制派武装組織「自由シリア軍(FSA)」だ。山本さんの遺体映像を、いち早く動画サイト「ユーチューブ」に投稿したのもFSAだ。山本さんは、FSAを信用していたのだろうが、こんな声が出ているのだ。

「映像では、ベッドに横たわる山本さんの遺体のそばで、FSAの兵士が『アサド政権の攻撃で殺された』と訴えていた。政府軍に比べて圧倒的に武力が劣るFSAにとって、唯一の有効手段は国際社会に現状を訴え、世論を味方につけること。少しでもシリア政府の非道ぶりを訴えたい。動画を投稿したのもそのためでしょう。しかし、銃撃戦から病院搬送、ユーチューブへの投稿までの時間が短く、まるで山本さんが銃撃されるのを“予感”していたようでした」(軍事ジャーナリスト)

 国際社会を味方にしたいFSAにとって、映像はインパクトがある方が世論を喚起できる。FSAがより“過激な映像”を求める可能性はゼロではない。

 実際、英国の「チャンネル4ニュース」の関係者は、シリアの反政府組織に同行取材した際、「危険地帯に連れて行かれ、(死ぬことで)プロパガンダに利用されそうになった」――と証言している。山本さんの場合も、22日のトルコ当局の司法解剖の結果、「狙い撃ちされた可能性が高い」というから、何やら怪しいにおいがするのだ。気になるのは、シリア政府が、山本美香さんの殺害は反政府派の仕業だ、と主張していることだ。

 戦場ジャーナリストの志葉玲氏が言う。

「さすがにFSAの自作自演はないでしょうが、投稿映像の使い方を見ていると、FSAが死者に敬意を表しているとも思えません。結果的に山本さんがプロパガンダに利用された面は否めません」

 真相は明らかになるのか。

(日刊ゲンダイ2012年8月24日掲載)