25年前くらいに出たエッセーで著者は島津貴子さんのお姑さんである。
短い話しをまとめたものであるが、そこで大体その当時の風潮に対して批判的なことが書いてある。それが現在でも一々ごもっともなのである。つまり25年間で日本は良くなっていないということである。
明治・大正・昭和を生きてきたひとだから、時代の移り変わりというものがはっきりと分かるのであろう。ただ昔は良かったということもあまり書かれていない。
つまりこの人は時とともに成長して見る目がしっかりと確立していき、その当時の良くない風潮がはっきり見えるようになった、ということであろう。
この本は出版当時はよく売れたようであるが、まだこういう警世のの書に反応する人が多くいたということだと思う。もし今こういうものが出てもあまり売れないと思う。もうこういう風潮に慣れきったのか、諦めたのか、世も末だという気がする。
今の風潮に乗っかって、儲けよう、競争に勝とう、と大きな声をはりあげているような本は売れていたりするようであるが。