気まぐれ何でも館:(480) 現代短歌100人20首(23)
  
真鍋正男(まなべ・まさお)1948~。
  
 かはとんぼ みかどががんぼ るりしじみ 風にさからふ かよわきむしも
  
 私馬鹿よねといふ歌ありき何となく口ずさみゐる一人の時に
  
 つまづきの石に幾たびつまづきてもののはづみでいまここにゐる
  
 星々の間にあらはれ闇を切り流れ星ひとつまたひとつ消ゆ
  
 星屑がしずくとなりて落ちてゆく暗くさびしき銀河の淵を
  
  
恩田英明(おんだ・ひであき)1948~。
  
 海原に雨は降れども海底(うなぞこ)に鯛ひらめくとおもふも楽し
  
 いつよりか椎の花の香いちじるく流れいだせり夕闇ふかき
  
 絶えずうごく小さき頭の照りながら雀遊べり秋草のなか
  
  
花山多佳子(はなやま・たかこ)1948~。
  
 堕天使の歩む背後に言い知れぬ幸いとして赤き木瓜咲く
  
 左右のふくらみ違(たが)う南瓜をみておれば地に在りしまま実(な)れるかたちか
  
 いさかひの声よりさびし弟と姉の口笛とほくに揃ふ
  
12.2.26 抱拙庵にて。


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