気まぐれ何でも館:(477) 現代短歌10人20首(20)
  
藤原龍一郎(ふじわら・りゅういちろう)1952~。
  
 缶入りのコーヒーを売る機械のみ闇にさびしく発光したる
  
  
今井恵子(いまい・けいこ)1952~。
  
 水筒の水飲みほされ卓にあり夏の終りは簡潔にして
  
 キッチンの床にころがしおく西瓜ひと眠るころ動くことあり
  
  
吉岡生夫(よしおか・いくお)1951~。
  
 はじめてのくちづけをへてあふぐときどこかでいつかみた空がある
  
 浴衣きてうつくしかりし日のことをわすれず 忘れたしとつたへよ
  
 連休の終はる夕べを無精髭のびし顎まで湯につかりゐる
  
 ふたりして歩くことまれ八歳の上の子われの手をにぎりたり
  
 新渡戸稲造ひとりなれども派遣しぬエジプトに木を植うる基金へ
  
  
山田富士郞(やまだ・ふじろう)1950~。
  
 異星にも下着といふはあるらむかあるらめ文化の精髄なれば
  
 夢に来し木馬やさしくわれを嘗め木馬になれとはつひに言はざり
  
 街路樹の鈴掛に巣をつくりたる雉鳩よおまへは東京が好きか
  
12.2.5 抱拙庵にて。
  
http://homepage3.nifty.com/kyousei/essay.html