気まぐれ何でも館:(466) 現代短歌100人20首(9)
俵万智(たわら・まち)1962~。
想い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海
いくつかのやさしい記憶 新宿に「英(ひで)」という店あってなくなる
優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる
蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと
荻原裕幸(おぎはら・ひろゆき)1962~。
夏木立ひかりちらしてかがやける青葉の中にわが青葉あり
フランスパンほほばりながら愛猫と憲法第九条論じあふ
しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒(さっぽろビール)のこの一つ星
天王星に買った避暑地のあさがほに夏が来たのを報せておかう
夜のすべてに封印をするしぐさにて髪たばねるを眺めつつあり
11.11.20 抱拙庵にて。