幸福って何なんでしょうね。
私は今幸福を満喫しているんですが、数学の研究をするある程度の余裕が出来て、比較的順調に結果が出ていることが基本にあるでしょうね。
数学の研究を論文にしてよい目安として、岡潔は少なくとも1箇所山(当たり前でないところ、つまり独創的といえるところ)があること、とお弟子さんたちに言っていたようですが、その独創的というのはその人の力量によって色々程度は違うと思いますが、自分なりの物を表現出来たという研究の歓びというものと結びついているんですね。
まあ、今の言葉で言えば、自己実現とでもいいましょうか。お金は食べていける程度、名誉などわずらわしいだけ、ということが自己実現の歓びを知れば分かります。
この本の中に、将棋の天才といわれた升田幸三が、勝つのが一番大事なことではなくて、その一局の棋譜に独創的な一手があることだ、といったということが書いてあります。
それが数学で言うと岡潔の話になるわけです。