気まぐれ何でも館:(459) 現代短歌100人20首(2)
  
目黒哲朗(めぐろ・てつお)1971~。
  
 大きくて固くて好きさそれゆゑに父よ手を離してくれないか
  
 ななめ後ろにきみはおくれて坐りたり青年心理学の教室
  
 さゐさゐと苛立つきみよ木の芽時ながるる水や風や血の音
  
 夏ごとに翼の生えてくるやうな痛み負ひゐき十代のこと
  
 バランスである 恐竜の長き尾も首も、ゆゑ知らず滅びしことも
  
  
梅内美華子(うめない・みかこ)1970~。
  
 階段を二段飛びして上がりゆく待ち合わせのなき北大路駅
  
 空をゆく鳥の上には何がある 横断歩道(ゼブラ・ゾーン)に立ち止まる夏
  
 われよりもしずかに眠るその胸にテニスボールをころがしてみる
  
 夏の風キリンの首を降りてきて誰からも遠くいたき昼なり
  
 ごんごんとわが吊鐘が積まれゆく鐘に飛び込む女見てより
  
11.10.2 抱拙庵にて。
 

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