著者は作家の故三浦綾子の旦那さんである。

三浦綾子の本を読むとしばしば光世氏の歌が紹介されている。なかなかいい。

それで歌集が出ると早速買った。例えば

君を想ふ夕べかなしくて袖に来し白き蛾を鉢の菊に移しぬ

寝ね難き暑き夜の更け妻と寄る窓に蛙のこもり鳴く声

また来るを得ぬ丘かと妻の去年言ひき季(とき)めぐり共に立つ花の下

キリスト教の信仰に裏打ちされた、何とも言えぬ良い夫婦だったことが分かる。