著者は川田順の2度目の夫人である。川田順は住友に勤めながら歌人としても活躍した。現天皇の作歌指導もしたが、俊子との恋愛事件で退いている。俊子は京大教授の夫のもとに子供もいたのであるが、川田順の最初の妻和子が亡くなって2年くらいで川田夫人となっている。

そんなことはどうでもいいことであるが、川田順は私の好みの歌人で、生前に出た「全歌集」をHPで紹介している(今書庫で調べて気がついた)。

著者も歌人であり、文章がすばらしくいい。淡々と書きながら人と人との織りなす綾のようなものがくっきりと、短歌をまじえながら書かれている。

この本に紹介されていた西田幾多郎の歌であるが、意外にいいなと認識を新たにした次第。以前彼の歌集1巻本を読んだ時はまだ若かったせいだろうか。

それと、私が大学1年生の時に英語を教わった、故川田周雄先生はダンディーな方であったが、川田順の甥御さんであることが分かった。

とにかく面白かったので、風邪で寝ているのをいいことに、一気読みした次第。