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初等数学としての算数の基礎・基本とその学び方・教え方
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大学生・高校生・中学生で小学校のとき算数嫌いにさせられたあなた! 是非読んで下さい。「目からウロコ」です。
経済系の大学生で、分数の計算もできないと教授にいびられているあなた! 是非読んで下さい。1週間もあれば算数は完全にマスターできます。
算数好きの高学年の小学生、不登校生、中退者、サラリーマン、小学校の先生、子どもの質問におうじょうしているお父さん、お母さん、是非読んで下さい。
数学者が書いた、なぜかが分かり、ははぁ~んと納得できる算数の本です。
教職課程の先生、是非教科書に採用して下さい。
教職を目指している学生さん、是非参考書として読んでみてください。
はじめに
近頃、大学生、特に経済系の大学生が問題なんでしょうが、小学校程度の簡単な分数の計算などができないことが調査によって分かり、大学生の学力低下!!と問題になっています。
私が8年半の会社勤めの後、脱サラして数学の研究を志してから大分勘も戻った頃、受験産業で高校生の数学の質問に答えるアルバイトを始めました。その時は、二次方程式の解の公式を、大体の形は想像がつくものの、ハッキリ言って忘れていました。公式の出し方は知っていましたから別に困らなかったのですが、使わなきゃぁ~忘れるってことですね。もう一つは理屈、つまり公式の出し方を知っていれば、忘れてもどうってことはない、ということです。
よく言われる 1/2 + 1/3 = 2/5 と答えてしまうというのは、分数の足し算は分母を共通の値にしてからでないとダメ、という理屈を知っていたら、まあ、あり得ないでしょうね。共通の分母を2×3=6とすることを思い出せなかったとしたら、それは「2と3の最小公倍数にしなさい」とか言わずもがなのことを教わって、それが頭にこびりついて、共通の分母にするという大事な基本があっちゃに飛んでしまったからではないでしょうか。共通の分母を6にすることまで分かれば、1/2=3/6,1/3=2/6とし、3/6 + 2/6 = 5/6 まで一本道だと思います。
いったん理屈を理解すれば、あとは例題を慣れる程度に繰り返し練習すればよいのです。その時、算数ではいちいち理屈に戻って考える必要は無いと思います。いったん分かればですね。私などのやっている数学の研究では、理屈、意味などを繰り返し基本にさかのぼって考え直すことは必要です。新しい意味や理屈を発見することにつながることがありますのでね。
遠山啓氏の創始になる水道方式といわれるものは、算数の計算部分について理屈を見つけ出し、大体体系化しました。文部省(現在の文科省)は初めは水道方式に敵対的でしたが、今の教科書を見ると、大体マイルドな水道方式になっていて、最近は授業時間数が減ってきたせいか、やせた水道方式になっているようです。でも小学校の教え方は、皆が皆というわけじゃありませんが、先生は理屈の部分を分かりやすく教えるのは下手みたいというか、あんまり教えないようですね。先生が忙しさにかまけて、あんまり勉強していないといっちゃぁ~失礼ですが、とにかく計算が出来るようにすればいい、と理屈を軽視した反復練習重視みたいな風に思えますね。繰り返し練習は計算ドリルをやらしているようですが、一部学校で、大部分を宿題にしているようです。いずれにしても一人一人にまでなかなか目が届きませんわね。クラスの人数が多すぎ、先生が忙しすぎだからでしょう。それはそうでしょうが、児童が出来なくてつまった時が大事なんですが、その時は必ず理屈を簡単に復習してやってほしい、ということです。他の児童も忘れかけていた理屈の再確認になりますから、無駄にはなりません。この本はそういう時の虎の巻にもってこいです。
近頃は学校などあんまりあてにしないというか、多くの児童が塾に通ったり、家庭教師についているようです。ご両親も大変ですね。低学年は「公文式」、四年生位からお受験専門の塾に行くというか、いかせられているケースも多いようです。「公文式」はハッキリ言って問題ですね。最初、うちの息子を公文式の数学・算数だけを教えている個人的な塾にやらしたのですが、11-4などが出来ないのです。そこで私がここは腕の見せ所と、水道方式のやり方で、11は10と1,10-4で6,6と1で7,と教えたのですが、息子は学校でもそんな風に教えてもらったけれど、公文の先生は違うと言います。そこで私が公文の先生にお会いして、11-4が分からない時はどうすればよいのか尋ねたところ、公文のプリントは前後を見れば10-4とか、11-3とか、答えをもう覚えているのがあるはずだから、それに+1したり、―1すればいいのです、という返答でした。そうやって同じようなプリントを何枚も、出来るまで繰り返しやっているうちに、すらすら出来るようになる、つまり皆暗記してしまうということなんですね。それで私は公文式は記憶をベースにした教育法ですね、と念を押すと、「そうです」と言われました。また水道方式は一般の子どもには難しいから分からない、ということでした。これはエライことだ!!とすぐに公文は止めさしました。
今の問題になっている大学生達に、公文式のお世話になった人がかなりいるのではないか、と思っています。理屈抜きに単に覚えたものは、使わないと忘れます。そして理屈が頭に入っていて(理屈みたいなものは単なる暗記と違って、印象に残るので忘れにくい)計算法を忘れたら、理屈に戻って考えればよいわけです。ちょっと教えてもらうとすぐに思い出す場合も多いのではないでしょうか。小学生が計算するたんびに、一々理屈を頭に入れながら計算しなさいと言っているわけではありません。理屈はいったん理解すれば、あとは計算法則に従って機械的にやればいいのです。分数で割る時は、分数をひっくり返して掛けるとかですね。
この本は算数を忘れた人でも、人に教えられるくらいのレベルアップした理解を目指していますから、一章の整数、二章の小数、三章の分数などの計算体系は、水道方式プラスアルファーで理屈っぽく解説しました。理屈っぽいのが苦手で、理屈は分かりにくいと思い込んでいる人も、階段を一歩ずつ上がるように理屈を積み重ねていくと、かえって分かりやすい、しかも面白いということを実感されると思います。それは物事の理解の仕方の王道ですから、色んな場合に役立つと思います。もちろん、直感的に分かるようにも工夫を加えています。
問題は図形なんですが、小学校の図形に関しては、計算の水道方式に対応するような教育法は今のところ無かったと言っていいと思います。五章と六章で図形について私なりに理屈をつけて解説しました。算数では図形は色んな性質を暗記するものといった感がありましたが、小学生にも十分納得出来る理屈を説明しました。実際に小学校で教えるには、もう少しかみ砕く必要があるかもしれませんが、先生や、教科書執筆者に参考になるのではないかと思っています。
2009.11.7 西宮市苦楽園 抱拙庵にて 足立幸信
目次
はじめに
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序章 算数に関係するいろいろなこと
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§1.算数と数学は違うのか。
§2.この本の使い方。
§3.勉強の仕方、教え方。
§4.勉強しなさい!というだけではダメ。
§5.教育に関するいろいろなこと。
① 教育一般について。
② 促成栽培は人間にはやってはいけない。
③ 子どものやる気にスイッチを入れるには。
④ 人間力、地頭(じあたま)力をつける。
⑤ 算数の教科書について。
⑥ エリートを育てる必要性。
⑦ 全ての元凶である大学入試についての私見。
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一章 整数
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§1.1とは。
§2.1+1=2はなぜか。
§3.矛盾(むじゅん)。
§4.自然数の記数法。
§5.息抜き。
§6.0(ゼロ)の話し(1)。
§7.0の話し(2)。
§8.整数とは。
§9.色々考え込む人。
§10.足し算(1)。
§11.0を足す。
§12.足し算(2)。
§13.引き算。
§14.かけ算(1)。
§15.かけ算(2)。
§16.割り算(1)。
§17.割り算(2)。
§18.割り算(3)。
§19.交換則と分配則、多項計算。
§20.概数、概算、四捨五入など。
§21.整数の性質。
§22.最大公約数、最小公倍数。
§23.0で割る。
§24.腕試し。
§25.腕試し解答。
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二章 小数
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§1.小数とは。
§2.具体的に。
§3.足し算。
§4.小数に整数をかける。
§5.小数を整数で割る。
§6.割り切れない場合。
§7.循環(じゅんかん)小数。
§8.循環しない無限小数。
§9.小数をかける(1)。
§10.小数をかける(2)。
§11.小数で割る。
§12.商の四捨五入。
§13.商と余り。
§14.パーセント。
§15.腕試し。
§16.腕試し解答。
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三章 分数
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§1.分数とは。
§2.分数の足し算、引き算(1)。
§3.分数の約分。
§4.分数の通分。
§5.1/2 + 1/3 = 2/5 ?
§6.分数の足し算、引き算(2)。
§7.分数のかけ算。
§8.分数の長所。
§9.分数で割る。
§10.腕試し。
§11.腕試し解答。
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四章 数に関する応用
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§1.単位とは。
§2.単位(かさ)。
§3.単位(長さ、重さ、かさ)の換算。
§4.単位(時間)。
§5.単位(速さ、密度)。
§6.勝率、打率。
§7.平均。
§8.文章題。
§9.おまけ。
§10.腕試し。
§11.腕試し解答。
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五章 図形(1)
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§1.三角形、四角形。
§2.直角。
§3.息抜き。
§4.長方形。
§5.正方形。
§6.二等辺三角形。
§7.正三角形。
§8.合同。
§9.定規とコンパス。
§10.三角形の描き方(1)。
§11.三角形の描き方(2)。
§12.三角形の描き方(3)。
§13.平行線。
§14.対頂角、同位角、錯角。
§15.三角形の内角の和。
§16.台形、平行四辺形。
§17.平行四辺形の性質。
§18.菱形。
§19.四角形、五角形の内角の和。
§20.腕試し。
§21.腕試し解答。
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六章 図形(2)
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§1.円と球、円周率。
§2.円周率の話し。
§3.長方形の面積。
§4.三角形の面積。
§5.四角形の面積。
§6.平行四辺形の面積。
§7.台形の面積。
§8.円の面積。
§9.円周率の話、ふたたび。
§10.ぐにゃぐにゃの図形の面積。
§11.いろいろな立体図形。
§12.いろいろな立体の体積。
§13.おまけ。
§14.腕試し。
§15.腕試し解答。