<<天才数学者のエピソードで綴るデンジャラス・ストーリー>>
前書き
この本は友人の編集者の山口哲夫氏に、こんなものを書いてみては、という助言によって成ったものである。
1章はどの本にも書いてあるようなことである。しかし、その後のデンジャラス・ストーリーの進展の2章、3章、4章までを含めて一冊の本にまとめてあるものは多分無いと思う。私は2章と4章を書くことによって、大いに勉強になった。
数学を愛好している人を主たる対象にして、単なるエピソードだけでなく、ほとんど数式を使うことなく歴史的、数学的説明を分かり易く(多分)補足しているので、数学全般について十分楽しんでいただけるし、理解を深めていただけるものと思っている。
特に若い人で、数学に興味を持っている人、たとえば数学者になりたいと思っている人を念頭において、前著「アホでも数学者になれる法」で愚直にするべきことをしたらOK牧場的なことを私の経験にもとづいて書いたが、正直言って、私と同じ状況に置かれたら、ほとんどの人は私の現在のように、数学三昧が可能にはならないと思っている。長年にわたるもの凄く強い意志と実行力が必要なのである。
もう亡くなったが、以前私の主治医であった精神病院の医者が「この病気でまともにやっているのは君だけや」と述懐したことがある。数学の研究は、まともにやるよりは格段に難しいことなのである。強い副作用のある薬を飲みながら、それでも数学をやろうとして、様々な工夫をしたことがあの本の種になっている。
若い数学者を目指す人には、アホでもあの本に書いてある方法を参考にすれば、そんなに苦労をせずに数学者になれると思う。私の通ってきたもの凄い道程は経験する必要はなく、そこから得られた方法から出発すればよいからである。
私が数学者と言っているのは、数学を研究している人であって、必ずしも大学の常勤の先生を意味しない。一方、数学の研究は、一応プロからある程度評価されるものを意味している。早い話、研究した論文が数学の雑誌に載る程度のものである。
本当に数学が好きなら、安穏な人生が必ずしも待っていないことは、私のことをくどくど言うより、この本を読んでいただければ分かるはずである。そういうのが嫌な人は別の道に進めばよいのである。いくらでもそういう道はある。
若い人の検討を切に祈る。
2009年6月 西宮市苦楽園 抱拙庵にて 足立幸信
目次1. 関数とその微積分を中心としたデンジャラス・ストーリー
デカルト
ニュートン
ライプニッツ
オイラー
フーリエ
ガウス
コーシー
アーベル
ガロア
ワイエルシュトラス
リーマン
2. デンジャラスな無限というものに魅入られた天才 たち
カントール
ゲーデル
コーエン
3. 孤高の数学者 岡潔:ピソードには事欠かないデンジャラス人生!
業績・略歴
若い講師の時の岡潔
フランス留学時代
広島文理大助教授時代
広島文理大を辞職してから
奈良女子大学に奉職(1949年)
奈良女子大教授時代
京大にも教えにいっていた頃
「岡の基本レンマ」について
学会などの岡さん
文化勲章受章の頃
その後
一般人向けの講演などに関すること
神秘的な雰囲気のするエピソード
その他のエピソード
晩年
死後
私の思い出
4.放浪の数学者 エルデシュ
略歴
エルデッシュ語録
ザ・ブック
研究生活の姿勢など
素数は友達
ハーディー
ラムゼー理論
友人グラハムのこと
ゲーデルとアインシュタイン
http://homepage3.nifty.com/kyousei/tensai.html