■Evgeny Svetlanov
曲の内容が全て頭の中に入っているような指揮だ。演奏の内容はほぼ普遍で完成度が高いという
 
か、思想が一貫しており、年代が変れどほぼ同じ演奏だ。指揮はポイントで奏者に細かい指示を出す
 
事が多い。特に主旋律と掛け合いのあるシーンでは、徹底して指揮棒の先を向ける。演奏する側から
 
すると、少しくどくて煩わしい印象もする。
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「爆演家」として知られているが、実は緻密で完璧主義者である。平素の指揮はお手本としては良い
 
指揮ではないだろうか。ただ、感情が乗って来ると全身で感情を表現してくるので多少大袈裟になって
 
くる。激しくfffで終わるような曲ではバンザイ状態で終わることも少なくない。通常の演奏時は緻密
 
で、指揮棒と演奏が見事にシンクロしている場面が多い反面、エンディングは締まらない場合も多々
 
あり、指揮棒の振りとオケの音出しがあっていなくて、あれれっ?と思ってしまう。
 
■Valery Abisalovich Gergiev
全身魂霊の指揮である。頭から指先までピリピリしているのが容易に判る。この意味では小澤に
 
近いが、遥かにそれ以上に神経質に見て取れる。指揮棒も使わない事が多い。一見冷静に見える
 
が、かなり精神的にHighな状況だ。神が乗り移ったとは言い過ぎだが、瞳孔や顔表面の引き攣り
 
気味な筋肉の動きを見ているとまるで痙攣であり、常気を逸している感じを覚えなくもない。コンサート
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マスターは頻繁に指揮者に注目するが、その他の演奏家はあまり指揮を見ていない印象だ。内に
 
秘めた沸き立つ感情が感じられる。この指揮を見ていると高血圧や脳溢血で倒れるのではないか
 
と思う。気を付けて頂きたいものだ。総じて演奏自体はKarajanのアプローチに近い印象がある。
 
■Herbert von Karajan
さて、DVDを購入しじっくり観てみた。晩年の映像だが、印象としては、非常に堅実な指揮に映る。
 
感情に流され過ぎず、かといってクールで無表情という訳でもない。弦楽器の振るわせる部分では
 
自分の指を弦奏者の指に真似て感情を伝える。左手は感情を伝えようとしている。時には歯をくい
 
しばり頭上から力強く両腕を前に振り下ろす。また、意外にも指揮中にメロディーを口ずさむことも
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ある。他とオーケストラと比べると演奏者は良く指揮者を見ている印象だ。DVDの撮影であっても
 
適時指揮を見て確認しているのが判る。総じてその他の指揮者と較べると非常に理知的に映る。
 
これが「華麗なるカラヤン」の真髄なのであろう。尚、指揮者ゆえの腰痛・脊髄の病気に悩まされて、
 
手術は12回程受けた模様である。演奏を見ると確かにきつそうだ。演奏開始と演奏後の笑顔は
 
今回の指揮者の中で一番良い。余裕なのか?演出なのか?・・・。