約4年ほど、地下にもぐって、
モグラ生活を満喫。
地上は刺激が強すぎて、
ゆっくりと感じたり考えたりすることができず、
手足と心をバタバタさせて、
見えない何かと戦う日々に
腐臭がたちのぼってきたので、
いったん土に還ろうと、
ザクザク穴を掘ることにした。
何か確かな目的があるわけではなく、
ただただ穴を掘り進める日々は、
時に焦りや不安という石をカツンと叩いたりしたけれど、
地下のトンネルの中で、
虚構と現実、
抽象と具体、
科学と哲学、
中心と周縁、
混沌(カオス)と秩序(コスモス)、
そんな鉱脈を行ったり来たりしながら、
自分なりの社会の全体像(らしきもの)をつくってきた感じ。
美肌加工で盛られた「人」が量産される世界は、なんだか息苦しかった。
あの頃の腐臭は、私がゾンビだったからに違いない。
腐った一部を修復するために、
自分のペースで呼吸ができる時間と場所が必要だったのだ。
あれから4年、
そろそろ日の光をあびようかと、地上に出てみたら、
そこには見覚えのある森があった。
しばらく放置されていたので、雑草茂ってるけど・・・。
んー、なつかしい。この緑の匂い。
あとはこの森の作業員として、
「こんぱすの森」を大切に守り育てていくばかり。
心地よい風が、ふきますように。