- 加野 厚志
- 孫策(そんさく) 呉の基礎を築いた江東の若き英雄
三国志大戦の話題ばかりの今日このごろですが、ひさびさに書評をしたいと思います。
……え? ご紹介するのは『孫策』という本ですが何か。根本的には大戦話と何も変わらないですが何か。
…………ちかごろ三国志のことばっかり考えちゃって困ってるんですよ私も!
まあそれはいいとして。リーマン御用達のPHP文庫から出ている『孫策』という本です。言うまでもなく、三国志の英雄(英雄ですよ、ええ!)孫策を主人公にしています。
ゼミの友達から、えらいテンションの高いメールが来て、孫策の小説が出てるよーと教えてくれました。ので、早速購入。かっこいい表紙に大満足。帯のコピーが、いかにもリーマン向けっぽく「三国一部下から信頼された男」。
……で、読んでみたわけですが。
………………コメントに困るよ、これ。
……………………ぶっちゃけていいかなあ?
…………………………おまえらホモだろ(孫策&周瑜)
いや、作者は六十歳の男性なので、たぶん作者にそんなつもりはないとは思いますが。……それにしたって。
周瑜が花を摘みながら頬を染めてみたり。
周瑜と話してた孫策がなぜか息苦しくなっちゃったり。
周瑜が魯粛を笑顔ひとつでほだして軍資金をせしめてきたり。
どうも、二人を美化しすぎてるなあ、というかんじ。潔癖すぎるっつーか。乱世なんだし、もっと清濁合わせ飲む器量があってもいいんじゃないの、と個人的には思うんですが。
……作者が孫策大好きなのはよくわかりましたけどね。おかげで、孫策と周瑜に付きまとう于吉が、作者自身を描いているような気がしてしまう(笑)
あと、難をあげるとしますと……擬音っていうか、気合いの声? ……が、おもしろすぎる。「うりゃりゃーッ!」っていつの時代の漫画よ? 読みながら恥ずかしくなっちゃったんですけど!
そして、史実考証が怪しすぎる。曹操が巨漢だったり、孫策より二十歳は年上の張昭が若い武将とか言われてたり。……たぶん、検証すればもっといろいろ出てくるでしょう。微妙に演義の話とそうじゃないのが混ざってるっぽいしね?
……まあ、ある意味で面白いので、懐の広い人は読んでみてもいいかも。とりあえず、孫策と周瑜の出会いのシーンがかなりすごいので、立ち読みでそこだけ(P27~32くらい)読んでも。
初めて三国志を読むって人にはおすすめできませんねー。劉備の扱いがひどいし。歪んだ三国志観が形成されることうけあい。