著者: 笹生 陽子
タイトル: きのう、火星に行った。


書店で平積みになっているのを見て、タイトルにひかれて購入。良い本でした。

主人公は、小学6年生。勉強もスポーツも、やらなくたってそこそこ以上にはできるから、なにひとつ一生懸命にやったということがないという、うらやましくも腹立たしいような少年です。

けれどそんな彼の生活に変化が訪れます。療養のため、ずっと離れて生活していた弟が家に帰って来たのです。自分とは違ってどこか夢見がちな弟とはうまくいかないし、学校ではやる気もないのにハードルの選手に選ばれてしまって……。

少年の成長を描いていて、特に「がんばる」ということがテーマになっています。二時間もあれば読み終わってしまう、児童向けの本なのだけど、このテーマには私も感じるところがありました。

それに、少年の成長をテーマにした作品にありがちな、説教臭さというものがこの作品にはあまりありません。もっと、視点が少年に近い。

小さい子に読ませてあげたいし、私自身、読んで「あー、がんばらなきゃ、私も」と思える。読み終わったあとで、ほっとするというか、ほほえましさでいっぱいになるというか、にこにこしてしまう本です。