【はじめに】

平成20126日、NPO法人かものはしプロジェクトオフィスにて、コンパスポイント第一回会合が開催されました。講師はNPO法人かものはしプロジェクト共同代表:本木恵介さん

集まったコンパスポイントメンバーは12人。かものはしプロジェクトのミッション、その中でも特に力を入れているコミュニティファクトリー事業本木さんの考えるソーシャルベンチャー論、といったテーマについて本木さんからご説明いただいた後、ガチンコの質疑応答を挟み、参加者の間で、「ソーシャルベンチャーを若手社会人がどうサポートしていけるのか!?」、というテーマについて熱く議論しました!

NPO法人かものはしプロジェクトとは)

ビジネス性の高いアプローチでカンボジアでの児童買春問題の解決に取り組んでいるNPO法人。日本企業のWEB制作受注(IT事業)や、サポーターからのファンドレイジング(サポーター事業)で得た収入を資金源に、カンボジアにおいてコミュニティファクトリー事業(農村で職業訓練と就労機会を与える)とPCスクール事業(孤児院に保護された子供を対象にパソコンの基礎スキルを教えるPCスクールを運営)の二つの事業を展開している。

団体HP http://www.kamonohashi-project.net/activity/itbusiness/


(本木恵介

NPO法人かものはしプロジェクト共同代表。

2005年東京大学文学部卒。

2004-2005年にコンサルティングファームにてインキュベーション立案、中堅家具メーカーのマーケティングコンサルティングのプロジェクトマネージャー。

かものはしプロジェクトでは、カンボジアと日本を行き来し、経営戦略面を担当。

【本木さんのお話】

 かものはしプロジェクトのミッション

「児童買春の背景にある貧困問題。」

>深刻な現状とその背景

・ カンボジアの児童買春については、テレビ番組に取り上げられることも多いので、耳にしたことがある方が多いかもしれません。買春をしている少女は、8歳くらいからおり、1517歳くらいの子が最も多くなっています。児童買春には様々な背景がありますが、一番の根本にあるのは貧困によって売春業に手を出さざるをえなくなっている社会構造です。児童買春の撲滅には、子供が買春に手を染めないで済むような社会作り、つまり貧困層の支援が不可欠なのです。

>かものはしプロジェクトのミッション

・ かものはしプロジェクトはカンボジアで、職業訓練と就労機会を貧困層に対して提供し、貧困層の支援ひいては児童買春の撲滅を目指しています。

 コミュニティファクトリー事業

「自立した組織作り、意識作りが最大の課題。」

>自立した施設の実現を目指して

・ コミュニティファクトリー事業は、農村の住民に、職業訓練と就労機会を提供するコミュニティファクトリーを設立・運営するプロジェクトです。

 かものはしがコミュニティファクトリーを立ち上げる前から、地元NGO等による職業訓練施設は農村にいくつか存在していました。しかしながら、このような既存施設の多くは資金不足から機能不全に陥り、海外の資金提供者からの支援待ち、のようなものが多かったのです。かものはしプロジェクトのコミュニティファクトリーでは、自分たちで製造した製品の収益でファクトリーを運営できるような、経済的に自立した施設の実現を目標としています。

>活動内容

 農村で生産されるい草を用いてカバン等の手工芸品を作り、それを国内のマーケットで販売しています。カンボジアは貧しい国で失業率も高いですが、中国・ベトナム・タイから輸入される豚や野菜、観光客向けのお土産品などを扱うマーケットが存在しています。今後国内製品・商品のクオリティを向上させていけば、輸入代替型の産業振興の余地も十分にあると考えています。

>事業実施の課題

・ 参加者一人一人の意識作りが最大の課題です。タイ・ベトナム・中国等の周辺国と比べてもカンボジアは内戦の歴史が長く国としての発展が遅れています。しかし、コミュニティファクトリーを進めていく中で、参加者の中に、努力する姿勢や自分たちで積極的に問題を解決していこうとする姿勢が生まれてきました。引き続き難しい課題ではありますが、粘り強く取り組んでいきたいと思っています。

・ 今後に向けて

あくまでも事業の目的は児童買春の撲滅なので、コミュニティファクトリーという形にこだわらず様々な支援を今後とも検討していきたいと思っています。たとえば、収入面だけでなく、知識・教養に対する支援や、他の仕事の斡旋などを包括的に行うことや、警察に対する買春摘発支援など、方法に拘らず良いソリューションがあれば取り入れていく方針です。