昨日の夜、僕は何故か「軽井沢」の街を1人でさまよっていた。


いつも通りの夕食を家族と済ませ、いつも通り祖母と2人で仏前にてお経をあげ、


・・・気付いたら、僕は高速道路をひた走り、その目的地へと向かっていた。



夜だったから渋滞もなく、時速120キロくらいで走り続けたが、それでも到着した頃には、もう日付が次の日に変わる間際の時間となった。思っていたより、それはかなりの長旅となった。




確かにそれは、そこにある




到着した僕は、特にやることもなく、とりあえず駅前から1~2kmくらい続く通りを1人で歩いた。


夜の軽井沢。


そもそもここを訪れること自体が初めてだったが、メインの通り沿いには、小洒落た店舗が立ち並び、まさに「憧れの別荘地」のイメージそのままの街並みだと感じた。



確かにそれは、そこにある


でも、そこに全くと言っていいほど、人がいない。車も通らない。


たまにタクシーとすれ違うくらいで、あとは一匹のノラ猫と出喰わしたくらい。


土曜の夜だというのに、小洒落た街並みは、怖いくらいに静まり返っていた。




確かにそれは、そこにある




そして、そこには「真夜中のニオイ」がした。樹木とか草花が出すニオイなのか、それとも風のニオイなのか分からんけど、真夜中っていうのは間違いなく、特有の「ヘンなニオイ」を持っているのだ。・・・おそらく10年振りくらいだろう。僕は実に久し振りにその嗅いだ気がした。


胸につかえて、感傷が込み上げて、むせかえる。そんな感じ。


一通りの散策を終え、僕は帰路についた。


途中、高速道路を走っていると、長野市内を一望できるSAがあり、そこには宝石箱をひっくり返したようなすんごいキレイな夜景が広がっていた。


僕はあまりの感動に、また、真夜中に1人であることをいいことに、その展望へ向けて思いっきり「立ちション」をしてやった。僕は「ざまあみろ」と小さく言った。


そこで空腹に気付いた僕は、自販機で安っぽい「たこ焼き」と「たい焼き」を買い、もぐもぐとそれを食べながら、お気に入りのCDを聴きながら、なんとか家までたどり着いた。


途中、あまりの眠気に何度も意識を飛ばして死にそうにもなりながら。




長い、短い、そんな夜だった。