しっかし、携帯版雨風呂のフィルタリング機能には本当に参るなあ。
ぼくは青少年の健全な育成に害を及ぼすような記事なんてこれっぽっちも書く気はないのに、たかが緒名弐とか接久須とかって書いただけで、もう閲覧が出来なくなってしまうのだから・・・。そんなことしても、今度はわけのわからない隠語がはびこるだけじゃないか。・・・まあ、無料で表現の場をお借りしている身分だから、文句をいえる立場ではない。・・・気を取り直していこう。
「あいつらが簡単にやっちまう30回の接久須よりも 『グミ・チョコレート・パイン』を青春時代に読むってことの方が 僕にとっては価値があるのさ」
・・・これは、「銀杏BOYZ」というロックバンドの「十七歳」という曲の歌詞冒頭部分だ。
これを聴いた当時、すでに23歳になっていたぼくは、大いに焦った。その曲も収録の、同時発売された2枚のアルバムは、どちらも実に完成度の高い、ドロドロと、そしてキラキラとした、思春期の少年達のバイブルみたいな傑作だったので、それだけに、そんな楽曲の中で歌われている『グミ・チョコレート・パイン』という小説を青春時代(10代ってこと?)に読むことが出来なかったぼくは、もう「シマッタ!」というやりきれなさでいっぱいになった。
・・・ちなみに、ぼくにはそういった「シマッタ」が、実はもう一作品ある。それは「ライ麦畑でつかまえて」という小説で、これも自分の大好きなミュージシャンとかが、「思春期の頃に読まなきゃダメ」みたいに言っていて、ぼくは結局、未だに読んでいない。あ、太宰治の「人間失格」もかなあ。・・・ただ面倒くさがりなだけだな(苦笑)。
しかし、その時だけは、ぼくにしてはめずらしいくらい行動的だった。すぐにでもその、「あいつらの30回の接久須に勝る」という作品を読んでみたいと思ったのである。
ただ、そんな中にも不安があったとすれば、その小説の著者が「大槻ケンヂ」という、つまり本業が「ミュージシャン」だったということである。
例えばぼくは今、「浅野いにお」という漫画家さんが大好きなのだが、もしもそのいにおさんがCDデビューしたとして、そのCDは絶対聞きたくない、聞かない自信がぼくにはある(いや、別の意味でそれはなかなか興味あるかもしれないが・・・、笑)。つまり、ぼくは「職業の浮気」には基本的に一切期待しない人間なのだ。
そんな不安もあったので、ぼくは慎重に、まずは立ち読みから攻めることに決めた。ちょうどヴィレッジヴァンガードに「リンダリンダラバーソール」という氏の別の作品が置かれていたので読んでみたのだが、・・・これがもう、面白くて面白くて。人目もはばからず僕は最後には号泣しながら、結局最後まで立ち読みで読みきってしまった。
そして、勿論そのままの勢いでぼくは、小説『グミ・チョコレート・パイン』(全3巻)を購入して一気に読んだ。
無論、感想はいうまでもない。号泣あり、爆笑あり、・・・17才の頃の峯田さんがこれを読んでいかに興奮しただろう・・・、その光景がまざまざと目蓋の裏に浮かんでくるようだ。
ぼくは大槻ケンヂさんの音楽(「筋少」とか)には、正直なところあまり共感できる部分がない(全てを聴いたわけではないけど・・・)。それもあって、ぼくは大槻さんのバンド活動とかそれまでの人生全てが、むしろこの小説達を産み落とすために存在したのではないかとすら思ってしまうのだった。
青春時代に読めなかった人も、心に十七歳が生き残っていれば、十分読めます。
面白さと満足感はぼくが保証します。ぜひぜひお試しあれ。
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