僕は元来、いわゆる「男の子がカッコいいと感じるもの」に、全くといっていいほど興味がない。


それは例えば、子供の頃なら「戦闘機」だとか「戦争ごっこ」とか、「モデルガン」とかだし、思春期の頃でいえば、「タバコ」とか「プロレス」とか「スポーツカー」とかなんかだろう。周りの男子達がそういう話題で盛り上がっている時、僕はさっぱりその魅力が理解できなくて、結構とまどった。そして、それはいつしか、毛嫌いや苛立ちに変わっていった。そのうちに、あらゆる「カッコいい」が大嫌いになった。


そうなると、「オートバイ」だの「ロックンロール」なんて、興味の対象外もいいところである。




そんな僕が、19歳の時に、あっさり中免を取ってバイクを買い、ロックと言われる音楽を好んで聴くようになった、そのすべての原因は、「甲本ヒロト」と「SR400」との出会いにあるいってもいい。


ヒロトのことはご存知の方も多いと思うが、「リンダリンダ」「トレイントレイン」「情熱の薔薇」「日曜日よりの使者」「青春」などの曲で広く知られている「ザ・ブルーハーツ」「ザ・ハイロウズ」そして現在は「ザ・クロマニヨンズ」のボーカリストである。



彼の書く詞やライブパフォーマンスを含めたすべての言動に、僕がそれまで持っていた「ロック」に対する固定観念はすべて一瞬で帳消しにされた。



気が付いてみれば、本物のロックってのは、「愚直なまでに自分自身を偽らない姿」のことであり、それまでに抱いていた「虚勢と虚飾だけで中身は無い」みたいなイメージとは、完全に真逆のものだったのだ。



そんなヒロトも以前乗っていて、今でも彼が「一番好きなバイク」として挙げるのが、SR400というYAMAHA製のオートバイなのである。



このバイクには、一切のムダが無い。「ガソリンタンク」と「タイヤ」と「座席」と「エンジン」・・・不要な物を一切身にまとわないその潔いフォルムは、まさに甲本ヒロトのロックンロールそのものである。そう、『無印良品』みたいなものだ。



更に、このバイクは確実に、「乗る人を選ぶ」のだ。見事にマッチングしているライダーというのはもう、「ミロのヴィーナスなんか目じゃないぜ!」というくらいに、人とバイクの合体した完璧な一つの「デザイン」となる。

たまに街中なんかで見かけると、僕はもう、うっとり見惚れてしまう。




実家に戻ってからは車しかないので、もう2年以上もバイクには乗ってないけれど、同じ乗り物でも、車とバイクとは、僕には全くの別物のように思える。そしてそのバイクの中でも、YAMAHAのSRってのは、更に別格の存在なのである。



またいつか・・・きっと乗ってやるんだ。リラックマ おしまい