こんにちは、湖本とうこです。

多重人格と言われる解離性同一性障害の人について

私自身の体験から、参考になればと思いブログを書いています。

 

 

この記事では、解離性同一性障害の人のパニック障害についてお話しします。

 

交代人格ごとのパニック発作の出方の差についても話したいので

パニック障害になった経緯はまた別の記事に書きたいと思います。

 

不安が元で起こるパニック発作は

解離性同一性障害の方、解離性障害の方に

比較的よく見られるものではないかと思います。

 

なぜなら湖本のところに相談に来られる方の7割の人が

なんらかのパニック発作様の症状を経験していて

尚且つそれが生活をする上でかなり弊害になっていると

お聞きしてきたからです。

 

解離するほどに

体や心にストレスがあったり

それが持続している状態だと

パニック発作を起こす可能性はかなり多いのではないでしょうか。

 

ここでのパニック発作とは

 

・過呼吸

・呼吸が浅くなって息苦しい

・体の震え

・動悸

・寒気やのぼせなどの体温の変化に伴う感覚

・人が多いところへの外出に伴う恐怖、不安感

 

などを指します。

 

 

では、いつも通りまずは私の体験について

お話しします。

 

 

はじめパニック発作を起こすのは、決まって主人格である私、とうこでした。

よく起こるのは、就寝前、布団に横になっている時。

 

いつも大体

呼吸がどんどん浅くなっているのに

ふと気づき、

深く息を吸うように「意識」をしないと

このまま呼吸が止まってしまうのではないか?という感覚になるのです。

 

そういう時は決まって

「息をしていないことに気づかないまま、スゥッと死んでしまうのではないか?」と、漠然とした不安がいつも頭にありました。

 

息が吸えてないと普通ならくるしいと思って

息をしようともがきそうなものですが

不思議なことに、苦しいという感じることは少なかったように思います。

 

 

 

 

少しずつ与えられた苦しい環境に体が慣れてしまうように

少しずつ少しずつ増していく呼吸困難の苦しさも慣れてしまうのかと感じました。

 

感覚まひが解離で引き起こされるのか

呼吸についての感覚も鈍感になるのかもしれません。

 

 

当時の私の症状について私自身は

自分の体が生きることを諦めているかのようにも感じました。

 

自分の体が、生きることを放棄している。

それをひしひしと感じる。

そんな毎日で、鬱々した気持ちでした。

 

 

 

 

呼吸の浅さはパニック発作がひどくなって

緩和していくまでの2年間、毎日感じました。

 

気がついたら浅くなる呼吸を、感じながら、目を閉じていると、

体がずるりと布団の下に落ちていくような感覚がして、

そういう時は別の人格が出ているようでした。

 

私の感じていた(見えていた)世界はこうです。

 

ぼやけて、少し後ろ(体の下?)から見える視界は

どんどん狭くなっていく感じがしました。

 

表の世界では

私のボーッとした頭では、考えられないほど、慌てて深く息をしていたり、

交代人格の男の子が、私に対して何か「息するの忘れんなや!」のような叱咤の声を言っていました。

が、どれも、どこか私の体の遠いところで起こっていることのように感じていました。

こういう自分の感じている感情と、自分の体に起きていることが遠く感じることを「離人感」「離人様症状」と言います。(他にも派生した言い方があるようです。)

 

 

夢であるような、記憶であるような、曖昧な感覚を

「離人感」と私たちは言っていましたが、それを毎晩感じるのです。

 

いつもいつも

なんとも言えない脱力感、けだるさの中、

意識を失って、私は眠りに落ちました。

 

私の体は、交代人格たちの表への出現によって

安定させてもらっていたように思います。

 

しかし、タイミングよく交代人格が出られるともかぎらず

むしろ、症状が軽い時期は、人格たちが表に出て、発作を一見引かせてくれる状態になることは少なかったです。

 

どんどん激化して、発作が長く続くようになって、

私を心配した人格たちが自分が出流ことで発作が消失すると気付いて

それからは積極的にでてくれるようになった。。。という経緯があります。

 

 

 

交代人格がみんな安定していて

主人格だけがパニック発作を起こすのか?と聞かれると

そうとも限りません。

 

 

交代人格たちの中にもパニック発作を起こす人格はいました。

 

 

だけど、全くパニック発作を起こさない人格もいる。そんな感じです。

 

同じ体なのに、心の保ち方が違うためなのか

私の男性人格たちはパニック状態になることは・・・なかったです。

 

私以外にパニック発作を起こす人格がではじめたのは

私のパニック障害の症状が進行して、仕事をやめて引きこもっていた時期でした。

 

 

発作を起こすのは、決まって私を含め女性人格の3人でした。

この3人に共通する発作の引き金は「恐怖」。

 

*私は支配に関する恐怖

【対自分、対人どちらにも(自分が支配されることも、自分が人を支配する側に回ることも怖いと思う)】

 

*交代人格のあきちゃんは、負傷・血に対する恐怖

 

*交代人格のいさなちゃんは、不貞や裏切りに関する恐怖

 

 

 

恐怖を感じる「対象や事柄」が

人格ごとに分けられているのがよくわかると思います。

 

症状の出方も人格によってそれぞれ違います。

 

私は決まって、呼吸が浅くなるのと、体の震え。そして、人の多い場所にあまり出歩けない。

 

あきちゃんは、少し特殊なんだけど震えと共に騒ぐ。陽気に騒いでしまう。「きゃーーーー!」とか「ダメダメ!無理無理!!」と叫ぶ。

本人はとてつもない不安と恐怖がある。少しでも明るく反応して振る舞うことで気持ちを落ち着かせているらしい。

 

いさなちゃんはアンガーアタックを起こす。

怒り発作というもので、感覚的な発作は、頭から血の気が引いて、震えがくる。その後相手を責めてしまう。

 

などです。

 

人格が一人の人と

解離性同一性障害の人が違うところは

 

このパニック発作を起こすきっかけが人格によって違う

 

という点です。

 

例えば、私はあきちゃんほど

血や怪我に対する恐怖はないので、

注射や、今ではないですが、自傷行為などは平気です。

 

だけど、あきちゃんは

怪我を連想するできごと・・・例えばテレビのニュースで事故や、衝撃映像の特集番組とか自分が怪我するわけでもないシーンを見たり聞いたりするだけでパニックを起こします。

 

 

自傷行為があった時は、自傷する人格に対し「ありえない」「もう本当にやめて!!」

「出てきて欲しくない!!」と交換ノートにずっと書いていました。

 

 

なので今でも、Twitterなどで自傷行為の写真をUPしているアカウントを見つけると、失神してしまう程です。

 

いさなちゃんは、本当に裏切りに厳しくて

人の嘘などが見えた瞬間の怒りのエネルギーがすごく動悸、震えがすぐに出てきますが

私は、人の嘘に対して「そういうこともあるよね〜」と楽観的に捉えることができます。

 

人格によってパニック症状を起こすタイミングが違うということは

人格が交代しない人のパニック発作とはまるで違い、周囲の人の誤解を招いたりして、生きづらいです。

 

あの時は平気で、なんで今日はだめなのか、説明するのが難しいからです。

「気分屋」などとも言われたり、

パートナーが対応に困ったりします。

 

逆に、パニックになるきっかけが違うことや

人格交代によって、パニック発作を起こさないように「見せられる」点は

仕事をもったり、生活を営む上で、助けになることもあります。

 

とは言え、

便利に、タイミングよく、常に交代できるわけではないため

それが難しい時は、本当に重篤なパニック発作を起こし、

本人は苦しむのです。

 

ちなみに、交代人格の交代でパニックを抑えられた時

中に入ったパニックを起こした人格(私やあきちゃんやいさなちゃん)は

心の中でパニック発作状態を起こし続けています。

 

つまり、表面上は辛そうに見えてなくて

発作も起きていないように見えるけど

心の中で、人格が息も絶え絶えになっていたり

頭を抱えてガクガク震えているような精神状態だったりするのです。

 

表では、飄々と交代人格が過ごしていて

いつも通り仕事や学校に行けていても

実は心の中では人格によっては、死にそうなくらいのパニック発作を起こしている

ことだってあり得るのです。

 

だから、一概に「交代できて楽だよね〜」とは

思って欲しくない点ではあります。

 

表に出ている交代人格は、心の中でパニックを起こしている人格の発作が落ち着くよう

できるだけ刺激を少なくして、見守ったり祈るしかないのです。

 

交代人格がもし表に出て、

パニック発作を起こしている人格を助ける時

こういう言い方をすることが多いです。

 

それは

 

「〇〇が辛そうだから、中に入れた」

とか

「中で休ませている」

とか

「いったん眠らせた」

 

という言い方、表現をします。

 

もし身近な方が解離性同一性障害で

交代人格がそういう表現をした時があれば

「ああ、でも中に入っても辛い症状と戦っているんだな」

と思ってあげてください。

 

そしてパニック発作を起こす対象を遠ざけてみたり

相談や話し合いをしながら、発作を起こしにくい環境を整えていくことでパニック障害の併発を克服していけるでしょう。

 

 

 

 

 

少し情報量が多くなってしまったので

今日の記事はこのくらいにします。

 

この記事では

解離性同一性障害と言われる人がパニック症状がどのように出るのかということをお話ししました。

 

交代人格ごとにパニックになるきっかけが違うことがあったり

症状の出方が違うということがあるということ。

 

そして、パニック発作を起こさないために

そのストレスに強い人格や

精神的に安定した人格や保護人格と言われる人格が

入れ替わるように交代して、

パニックを表面上は起こさないようにすることもある。

 

ということをお話ししました。

 

あなたの体験にも当てはまったり

参考になれば嬉しいです。

 

 

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解離アドバイザー

湖本とうこ