イングランドのスタジアムを考察する
コミュサカ@管理人@commusoccer ブログ更新 : 【管理人コラム】イングランドフットボールリーグを考察する まとめ https://t.co/3lyQLVTkRf - コミュサカまとめブログ #コミュサカ2017年01月25日 20:00イングランド沼から抜けますとか何回も言っておきながら、あれもこれもと気になって中々抜けられない状況でございます(笑)ご存じの方も多いと思いますが、私はスタジアムフェチなので、気になってしょうがなかったのは、イングランドのスタジアム事情でございます。前回記事でも何個かスタジアムに触れていますが、じゃぁ今建設中だったり計画している新しいスタジアムってどんな感じ?とか考えていたら眠れなくなりそうだったので、この沼から抜け出すためにも調べておきたいと思います。計画中、建設中のスタジアムNew UK Football Stadiums and Stands | Football Ground Guidehttp://www.footballgroundguide.com/about-the-author/developments.html上記サイトを参考に、気になったスタジアム情報をあげていきます。まずはPremier Leagueから。New Stadium|Tottenham Hotspurhttp://new-stadium.tottenhamhotspur.com/i newspaper@theipaper Spurs are starting a stadium design revolution in Tottenham https://t.co/F0jnxVNs2t2017年01月25日 20:35まず最初から度肝を抜かれましたが、Premier League のTottenham Hotspur が、61000席オールシートの新スタジアムを建設中です。2018-19シーズンから使用開始とのことで、建築費用の総額は、なんと約£4億5千万(約643億7千万円)!お金ってあるところにはあるんですね(笑)Herzog & de Meuron secures permission to revamp Chelsea FC football stadium | Scunthorpe United FChttps://www.dezeen.com/2017/01/12/herzog-de-meuron-planning-permission-revamp-chelsea-fc-football-stadium-london/Premier League の Chelsea は60,000人収容の新スタジアム建築を計画していて、建築費用約£5億(約716億8千万円)で2021年完成予定。かなり印象的なデザインですが、北京のBird's Nest Stadiumを設計したスイスの建築家Herzog&de Meuron氏のデザインとのこと。もうこの辺は異次元過ぎて泡吹きそうですね(涙目)Premier Leagueに所属するクラブでは、他にも様々な計画があるようですが、ここまで大きな箱だと日本ではあまりにも非現実的すぎますし、見てみたい行ってみたいとは思うけど「調べたい」とは思わない(笑)ので、もうちょっと規模の小さいところを見てみましょう。We can reveal the location of the Iron's proposed new £18-million stadium. | Scunthorpe United FChttp://www.scunthorpe-united.co.uk/news/article/new-stadium-location-revealed-1782614.aspxFootball League One(3部リーグ)に所属する Scunthorpe United FCが計画している新スタジアムです。12,000人収容で2017年中には着工予定とのこと。建築費用は約£1800万(約25億8千万円)とのこと。素敵な外観なのに意外とお安い。これまで色んなスタジアムを調べましたが、Premier Leagueのクラブのスタジアムは別として、イングランドのスタジアム建築費用って、レートの関係もあるかもしれませんが思っているよりお安いというのが感想としてあります。日本では、耐震設計とか湿気対策とかイングランドとは違う日本特有の事情もあると思いますが、こんなに差が出るものなんですかねぇ。。York Community Stadiumhttp://www.yorkcommunitystadium.co.uk/前回の記事でも取り上げた National League(5部リーグ)に所属する York City F.C.が2018年から使用開始予定の新スタジアムは8,000人収容で、病院や図書館、室内プール、体育館・室内競技場、ジム、ダンススタジオ、屋内クライミング施設等が併設されています。建築費用は約£4400万(約62億2千万円)とのこと。THE PROJECT > FOOTBALL STADIUM |The Quadrant Bostonhttp://www.thequadrantboston.co.uk/the-project/football-stadium/National League North(6部リーグ)に所属するBoston United Football Club の新スタジアムです。Football League の基準で建設され、5000人収容で2017年の秋に完成。全天候型の3G人工芝は地域に開放され、スポーツホール(体育館・室内競技場)、教育や会議施設が併設され、クライミングウォールとダンススタジオも追加されるそうです。建築費用は施設全体で約£550万(約7億9千万円)、サッカーグラウンド部分が約£200万(約2億9千万円)とのこと。※参考:Boston Community Stadium| StadiumDB.comhttp://stadiumdb.com/designs/eng/boston_community_stadiumこの規模になると、心が落ち着きますね(笑)日本の場合は、スタジアムといっても公共施設である公園内の陸上競技場やサッカー場を使っているところが多いと思うので、York City F.C.やBoston United F.C.が新設した「Community Stadium」は、公共施設の改修提案には向いていると思うんですよね。スタジアムに室内競技場やプール、教育施設や会議場を併設する。日本なら武道館を併設するのも一つの方法かもしれません。それでは、Football League Championship からNational League辺りまでのスタジアムで、創立100年以上という歴史あるスタジアムもかなり魅力的なのですが、新しいスタジアムの機能というところで「Community Stadium」に興味があるので、比較的新しいものをピックアップして見ていきます。2016–17 EFL Championshiphttps://en.wikipedia.org/wiki/2016%E2%80%9317_EFL_Championshipそれでは、Premier Leagueのすぐ下にあるChampionship(2部リーグ)を見てみましょう。Pirelli Stadium |Burton Albion F.C.https://en.wikipedia.org/wiki/Pirelli_Stadiumhttp://www.footballgroundguide.com/leagues/england/championship/pirelli-stadium-burton-albion.html2万、3万というデカ箱が並ぶ中で、一際目につく「6,912 (2,034 seated)」の文字。これは注目せざるを得ません。2005年使用開始の新しいスタジアムで、シートがあるのはメインの2,034席のみ。スタジアムを使用するBurton Albion F.C.は、現在リーグ22位と降格圏内にいます。なんかこう感情移入してしまうので頑張ってほしいですね!Ed D⚽️wes@Ed_DawesBeeb A great minutes applause for #GRAHAMTAYLOR at the Pirelli Stadium https://t.co/47lciI0yxc2017/01/15 00:06:05New York Stadium| Rotherham United F.C.https://en.wikipedia.org/wiki/New_York_Stadiumhttp://www.footballgroundguide.com/leagues/england/championship/new-york-stadium-rotherham-united.htmlNew York Stadium は、2012年オープンで収容人数は12,021人。建設費用は£2000万(約28億9千万円)。このスタジアムも「Community Stadium」ということで、スタジアムに併設された会議室や最大400人収容の大ホールで結婚式や企業のレセプションパーティー等々を開催でき、New York Stadiumの料理やホスピタリティは、Seattle’s Safeco FieldやWhite Hart Laneで実績のあるCenterplate がプロデュースしているそうです。http://www.aessealnewyorkstadium.com/2016–17 EFL League Onehttps://en.wikipedia.org/wiki/2016%E2%80%9317_EFL_League_Oneそれでは、League One(3部リーグ)に行ってみましょう。大きなスタジアムが多いですが、1万人規模のスタジアムが増えてきましたね。かつてPremier Leagueに所属し、西澤明訓選手、中田英寿選手、宮市亮選手が所属したBolton Wanderers F.C.は今このリーグなんですね。。Proact Stadium | Chesterfield F.C.https://en.wikipedia.org/wiki/Proact_Stadiumhttp://www.footballgroundguide.com/leagues/england/league-one/proact-stadium-chesterfield.htmlProact Stadium は、2010年オープンで収容人数は10,504人。建設費用は£1300万(約18億8千万円)。東側スタンドの外側には£170万(約2億5千万円)で建設された2階建てのコミュニティ施設があり、カフェ、スポーツセンター、ジム、セラピープール、多目的スポーツホール、教室、様々なテナントや武道場もあるとのこと。結婚式からコンサートまで幅広く行われているそうです。The Proact Stadium@ProactStadium We welcome today's hospitality guests who will be dining with us in the lounges for our home game with Scunthorpe Utd http://t.co/ygDpM3ZdPN2014/09/13 17:11:54調べていて気が付きましたが、スタジアムに多目的ホールを併設して、結婚式や各種パーティー、大きな会議等に使われているスタジアムが多いですねぇ。2016–17 EFL League Twohttps://en.wikipedia.org/wiki/2016%E2%80%9317_EFL_League_Two次に、League Two(4部リーグ)に行ってみましょう。4部リーグまで来ると1万人を超えるスタジアムが減って、数千人規模のスタジアムが増えてきました。以前Premier Leagueに所属し、川口能活選手が所属したことがあるPortsmouth F.C.がここにいるのにはちょっとびっくりしましたね。Globe Arena | Morecambe F.C.https://en.wikipedia.org/wiki/Globe_Arena_(football_stadium)http://www.footballgroundguide.com/leagues/england/league-two/globe-arena-morecambe.htmlhttp://www.globearena.co.uk/Globe Arenaは、2010年オープンで収容人数は6,476人。建設費用は£1200万(約17億3千万円)。結婚式、会議、企業イベントが行える多目的ホールの他、高級レストランも併設されているとのこと。様々な「Community Stadium」を見て来て、色々な意見を目にしてきましたが、多かった意見が「機能的ではあるが個性的ではない」というもの。まぁ確かに気持ちは分かるけど、デザインや外観装飾のコストを省くから建築費用を抑えられるところがあると思うので、Premier Leagueや上位リーグのスタジアムに見られるインパクトという意味では、予算規模的に仕方ないところなのかなぁと。それでも、私にはそれぞれが十分魅力的に見えるんですけどね。。あ、そうだ、せっかくLeague Twoを見てるので、ロック総統の話によく出てくるLeyton Orient F.C. を見てみましょう。ホームスタジアムはBrisbane Road。1937年使用開始、収容人員9,271人の良い雰囲気のスタジアムですね。2016–17 National Leaguehttps://en.wikipedia.org/wiki/2016%E2%80%9317_National_League最後にNational League(5部リーグ)を見てみますが、ほとんどが数千人規模のスタジアムになりましたね。Community Stadiumがどれか分からなかったので、目を引かれたところをいくつか。Gallagher Stadium | BMaidstone United F.C.https://en.wikipedia.org/wiki/Gallagher_Stadiumhttp://www.footballgroundguide.com/leagues/conference/conference-premier/maidstone-united-gallagher-stadium.htmlこちらは、前回記事でも触れたGallagher Stadium ですね。2012年7月使用開始、2,455人収容の3G人工芝ピッチで建設費用は£280万(約4億円)。Maidstone United@maidstoneunited Packed Gallagher Stadium for today's charity match in memory of Charlie Girling. #maidstone https://t.co/QQGkcPBMLa2016/12/02 21:47:50Racecourse Ground | Wrexham A.F.C.https://en.wikipedia.org/wiki/Racecourse_Groundhttp://www.footballgroundguide.com/leagues/conference/conference-premier/wrexham-afc-racecourse-ground.htmlhttp://myracecourse.wst.org.uk/Racecourse Groundは、Wrexham A.F.C. のホームスタジアムです。Wrexham A.F.C.が1864年創立と今年で153年です。歴史あるクラブが使用するRacecourse Groundは、1807年に使用開始と今年で210年の歴史を誇り、1877年に国際試合を開催するなど世界で最も古い国際的なサッカースタジアムとしてギネス世界記録に認定されています。ウェールズでは5番目に大きなスタジアムで、サッカー以外にラグビーや音楽のコンサートが行われます。Wrexham A.F.C.が使用する前はクリケットや競馬も行われていたそうです。2014年に新しい芝生やスプリンクラー設備、選手の更衣室、医療・治療施設や照明の改善等を行い、スタジアムがカテゴリー3に再分類(国際試合を開催できる)されたとのこと。現在の収容能力は10,771人。Wrexham Supporters Trust finally sign deal to take on 99-year lease of Racecoursehttp://www.dailypost.co.uk/sport/football/football-news/wrexham-supporters-trust-finally-sign-11691538スタジアムの所有権や使用権を巡りクラブの消滅危機にまで陥る紆余曲折があったようですが、2011年8月にクラブがスタジアムを使用する権利を担保した形でGlyndŵr University(大学)がスタジアムと関連するトレーニング施設を購入しました。2014年にはスタジアム運営管理、スタジアム事業の売買について、大学とWrexham A.F.C.の運営を行うWrexham Supporters' Trust(サポーター組織)が99年という長期リース契約を締結しました。Racecourse Ground は、障害のあるサポーターは10ポンド(£5安く)、ヘルパーは無料で入場でき、視覚障がい者向けの8つのスペースがあり解説を提供しているとのこと。試合の様子は地元の病院にも放送されているそうです。2013年10月には英国初となる「Autism friendly」という自閉症の方向けのサッカーの試合を開催。2015年8月にはWrexham Disability Supporters Association(DSA)からの資金提供で新しい展望台が建設され、障害があるサポーターが利用できる施設が増えているとのこと。素晴らしい取り組みですね。まとめCommunity Stadium をどう訳したらいいのか考えていて、コミュサカの「Community」は「地域」としてるんで、最初は地域のスタジアムととらえていたんですが、確かに地域社会に根付くものという大前提はあると思うんですが、訳にはなっていないけど「人が集まる場所」というのが一番近いのかなぁと感じました。数千人規模の新しいスタジアムでは、多目的ホールや、会議や文化教室ができる部屋、スポーツホールやプール、武道場、ダンススタジオから屋内クライミング施設等々の様々なスポーツを楽しむ人が集まれる場所を提供するという視点で整備されるの事が多いようです。また、規模の大きなスタジアムの新設、改修にあたっては、周辺環境等も含めて、都市の再開発をかねて町で取り組むというのも多いようです。例えば、スタジアム建設予定地の周辺のアパートや住居を壊して、新スタジアム建設に合わせて周辺に新しいアパートや住居を新設する。周辺道路等のインフラも再整備されるので、町を上げての一大プロジェクトになりますね。メインスタンドしか無かったスタジアムでも、予算に応じてバックスタンド、ゴール裏(ホーム・アウェイ)を、1つずつ段階的に建設していったり、そのスタンド一つずつにネーミングライツを募集して○○スタンドとして整備していったりと、スタジアムごとに様々な工夫をしています。このスタジアムに対するエネルギーはどこから生まれるんでしょうか。イングランドのスタジアムは、既存のスタジアムを見て分かる通り、築100年近いスタジアムが本当に多いです。最後に紹介したRacecourse Groundについては200年を越えています。スタジアムが町にあることは意識するけど当たり前の光景で、スタジアムはお爺ちゃん、お婆ちゃんが子供の時代から、いやその前の世代から日常の風景として見ている建物なんですよね。例えば私達の身近に、町に100年を超えるみんなが利用する施設があったとして、それが無くなったりしたらかなり寂しいと思うし、老朽化で改修のための募金とかあったら協力しちゃうじゃないですか。イングランドの人にとって、毎週末通い、そこに100年もあるスタジアムって生活風景の1部だし、サッカーファンにとっては我が子のように思い入れのある施設なんですよね。なんか、とっても羨ましいなと。私は、外国リーグの華やかな試合とか、派手な移籍報道とかは、凄いなぁくらいにしか感じないので、リーグ同士の力量を比べたり、国内でもJリーグと○○みたいに比べることもあまり興味無いんですけど、今回のように外国のサッカー文化に触れて、私達が手にすることができない100年の時間の蓄積が生んだロマンスに触れた時に、物凄い羨ましさを感じます。日本の陸上競技場も悪くないし嫌いじゃないけど、サッカー専用スタジアムには素晴らしい雰囲気と魅力がある。いきなり云万人スタジアムなんていらないし、数千人規模のスタジアム整備から始めて段階的に大きくしていけばいい。イングランドを見ても、6部以下ではスタンドのないピッチから始めて、カテゴリー昇格やサポーターの増加に合わせて段階的にスタンドを増設しています。totoの助成金もあってピッチは劇的に増えて良くなっていますので、次は、観客席や屋根といった見る人のための施設整備が必要ですね。今の1歩は200年先につながっています。200年先の人々が、私達と同じように、いやそれ以上に、今より良い環境でサッカーを楽しんでいて欲しいですね。コミュサカ@管理人http://blog.livedoor.jp/commusoccer/※文章中のレートは£1=144円で計算しています。