道々事々をおこなふに、外道といふ心あり。日々に其道を勤むるといふとも、心のそむけば、其身はよき道とおもふとも、直なる所より見れば、実の道にはあらず。実の道を極めざれば、少し心のゆがみに付けて、後には大きにゆがむもの也。吟味すべし。
〔訳文〕
何ごとを行うにも、外道というものがある。毎日、その道に励んでも、その本心が道に外れているならば、自分ではよい道だと思っても、ほんとうは、真実の道ではない。真実の道をきわめないと、はじめ、すこし心のゆがんだことが、後には大きなゆがみとなるのである。念入りに調べるべきことである。
宮本武蔵「五輪書」 鎌田茂雄 訳注 より