おはようございます。

小寒ですから、大寒に向かってますます寒くなるのでしょうか。
富士山がすっぽりと綿帽子を被り、寒さがいや増します。

 

「小寒の水、大寒に解く」と言う言葉もありますので、
体感としては、この節のほうが寒さをもっと感じる方も
多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

第六十八候、「水泉動(しみず/あたたかを/ふくむ)」となりました。
この時期は、雪がうっすらと地面を覆っているところが

多いのではないでしょうか。

北陸、東北では今年は大雪です。

 

こんな寒い中、小学生の子たちでしょうか?
高学年のお兄さんお姉さんの制止も耳に届かないのか、
氷の窓を見つけては、割って回っています。
 

まるで、そこに閉じ込められている妖精たちを
助けるかのように、嬉々として走っています。
 

元気な子らがいるこの街は素敵だなァなどと、
温かな部屋の中から思うクマです。

 

このように寒いいさむい地表は冷えて、

水たまりには厚く氷が張り付く季節です。
 

しかしながら、われわれの足下深く、地中では、

春の胎動が始まっています。
 

氷が少しずつ溶け、水が緩み、

春への change の準備です。
 

さあ、あなたも寒いから動きたくない

なんて仰らないで。

 

正月に暴飲暴食、惰眠爆睡したあなた。
寒い今が旬の蜆(しじみ)でも食し、

肝(きも)をしっかりと作って、

行動しましょう。

 

明日、11日は、鏡開き。
ご自分の鏡を開いて進みましょう!


<時候を表わす季語>

先程の「鏡開(かがみびらき)」は

新年らしい季語です。
 

新たな年を寿いでいるのに餅を割るとか
切るとかでは、1年が物騒でいけません。

 

ここは、この1年の運気が一段と

開くようにとこの字を当てます。

 

同じように運気が開ける行事が関西にはあります。
関西で、1月10日は、「十日戎(とおかえびす)」。
 

七福神のお一人、恵比寿っさんの祭日です。
恵比寿っさんは商売の神様として釣り竿を持ち、
鯛を抱えたお姿が目に浮かぶのではないでしょうか。

 

  戎っさん
      

         残り小判に

         

                      福宿せ(クマ:お粗末)

        
<時候を表わす色>

クマは中学校から柔道をやっとりました。
クマの学校は柔道が強かったものですから、

柔道部員であったクマ達は、元旦からは
それぞれの部員が自主稽古、そして、

小寒から11日までが最初の寒稽古。
 

しかも、通常は柔道場で、稽古しているのですが、

この後の大寒からは一般生徒男子が全員参加の

寒稽古となりますから、体育館に畳を敷いて
道場を作ります。
 

まあ千畳敷の稽古場を体育館に作っている

ものですから、1年生の頃のクマは

朝4時半に学校に行って、先輩たちが来る前に

畳を綺麗に拭かなければいけませんでした。
 

寒いのなんのって、あなた。
富山ですヨ。
 

雪なんかすごく降っていて、水なんか凍っていて、
水道が出ないんですヨ。
 

じゃあって、前の日の帰りにバケツに水を

張っておきますと、あなた。
凍ってるんですヨ。

 

これを割って、雑巾を浸けて、固く絞ろうと

するんですが、
 

手が悴んで、しまいには雑巾を絞っているのか、
自分の手を絞っているのかさえ分からなくなるんです。

 

え~っと、何の話をしているの? って、あなた。
 

「真っ白」なんですヨ。
外は雪。吐く息は白。頭の中は真っ白。
 

これがクマの青春の色でした。
そしてこれは立派なこの時期の季語なんです。
すべてが真っ白の辛さ。

 

真っ白な 雪一片ごと 冬妖精(クマ駄作)

 

 

でもネ、前半の寒稽古の最後の日、

11日は、嬉しい白でした。
 

道場の神棚に飾ってある鏡餅を割って、

これで女子達がぜんざいを作ってくれるんです。
 

だから、クマにとってのこの時期の色は、

白とともに、「小豆色(あずきいろ)」でした。
 

小豆の色と軟らかく煮てくれた餅の白。
体の芯から温かくなるとともに、これで一つ終わった

という安堵感と達成感で、満たされた至福の時でした。

 

さて、この小豆色は紫がかった赤褐色ですが、

東西でどうも好みが別れるようです。
 

関西ではこの色を好む傾向にあるようですが、

関東ではあまり好まれないようです。
 

阪急電鉄、近鉄車両の小豆色の車体や

九州のななつ星がこの色です。

 

関東では随分と前に南武線がこの色だったように

記憶していますが、他の電車では見たことがありません。
 

勿論、天皇家がお使いになられるお召し列車はこの色ですヨネ。
 

これも京都の歴史から来るのでしょうか。
どうも関西以西では小豆色は豊かさと上品さを感じる色の

ようですが、現代の関東人はこの色をクールと感じないようです。


今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。