2012/8/24
NY金 1672.80  +34.50 2.11%
NYダウ 13057.46 -115.30  -0.88%
ナスダック 3053.40  -20.27  -0.66%
ドル円 78.54 (09:32現在)

昨晩もQE(量的緩和)関連の発言が材料となり金融市場は動いたようです。

何だか最近はQEが非常に良いことであるかのように語られていることに疑問を感じます。といいますのも本来QEは景気回復にとって諸刃の剣であり、経済不安による信用収縮がスパイラル的に起こる状況を一変させる魔法である一方、供給された資金が中央銀行の思惑通りの市場へ流れず、実体経済よりも金融経済の方ばかりに流れると、景気回復のスピードが金融市場の改善と大きく乖離し、物価上昇に消費が追いつかない状況となりインフレ、消費減退、リセッション、更にはその後の打ち手を無くします。

どこまでも金融緩和をすればいいということはなく、限度があります。また、バランスもあります。QEは、『毒』にも『薬』にもなり得るわけです。単に金融市場の相場上昇を目論むためにあるものではなく、むしろ下手に使えば市場は破壊されます。

前回のFOMCではほとんどのメンバーがQEに対して前向きであることが明らかになりましたが、実施については、あくまで『景気回復のスピードが十分かつ持続的な景気回復ペースの加速される』かどうかが基準とされております。QEは、最後の切り札として活用すべき手段であり、恐らく9月の理事会では温存されるものと思われます。

欧州も含め、不安の多かった6月、7月の状況を受けても実施されることのなかったQEです。前回7月31日、8月1日のFOMC以前の経済指標、株価に比べ、現時点で8月の状況はやや改善されているいじょう、実施されるとすれば、6月、7月よりも悪化している状況になった場合と考えることが自然だと思われます。しかし、市場は何かを期待しておりますし、次回のFOMCで変化がなければ、失望売りが大きくなることにもなりますし、そのあたりを気遣って金融緩和の時間的要素を現在の2014年遅くまでとしているものが延長されるという予測ができそうです。

昨晩は、セントルイス連銀のブラード総裁が一昨日公表された議事録に対して、「前回の理事会以降、米経済が幾分強くなっており、現状のまま状況を見極めるに十分である」として、追加QEの可能性が弱まっていることを示したようです。その内容に反応して原油は高値から2ドル以上値を下げることとなり、また、新規失業保険申請件数が若干増加しておりましたが、経済指標の悪化=QE観測といった連想にはつながらず、NYダウは100ドルを超える4日連続の下げとなり、QE失望売りの反応となりました。金だけは相変わらず大きく買われたままとなっております。

金がQE失望売りとならなかったことの理由としましては、ユーロドルの上昇が材料と考えられます。次のギリシャへの支援に対するトロイカ調査団(欧州委員会、ECB、IMF)の公式発表待ちの状態である中、新規売買においてはやや様子見が強く、そのほとんどが連日続くユーロのストップロス絡みの買戻しであると考えられます。その公式発表は、9月14日、15日のEUの財務相会合で行われる予定です。

ユーロ圏救済基金・ESM(欧州安定化メカニズム)の銀行化に対するドイツでの違憲審査が12日、FOMCが12・13日、そしてEU財務相会合です。大きなイベントが控えております。じっくりと、買い場面を探って行きたいと思います。

遠藤 豪


世界ETF残高 1615.23(23日)1610.81
リースレート -0.09%(23日)-0.07%

CFTC大口投機家 買越 114,304枚(14日時点) 先週 買越 115,500枚
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