将棋棋士の加藤一二三さんへの

朝日新聞によるインタビュー記事を読んだ。

(2020年7月16日付)

「活動が多彩ですね。」と聞かれ、加藤さんは

キリスト教の言葉で、「身に余ることを求めない」

というものがあります。

自分ができないと思ったことは引き受けませんが

引き受ける以上は自信があります、

と答えておられた。


聖書のどこにこの言葉があったかなと暫く考えた。

「思い上がってはいけません。」かなと思ったものの

正確な箇所が分からない。


以前ラテン語を習った先生が

この言葉について書いておられたことを思い出し

ローマ書だったかなぁと思い探したが見つからず

箴言やコヘレトも探したものの分からなかった。


ラテン語の先生の文章を検索する方が早いかもと思い

いろいろ探して、やっと見つけた。

ローマ書11章20節の言葉だった。


この箇所は、新共同訳では

「思い上がってはなりません。」であるが

ウルガタ訳はnoli  altum  sapere.

ラテン語字義は

「高いものを味わおうとしてはならない。」

傲慢、高慢を戒めた言葉で

好奇心を抑制する金言。

好奇心は現代では肯定的に捉えられているが

この言葉が書かれた時代では

悪徳のひとつに数えられていたそうだ。


加藤さん、この箇所で合っているでしょうか。