一番印象に残ったのは、
肖像画の「伝源頼朝像」だった。

教科書でしか見た事のない肖像画の本物が、
目の前にあった。

じっと見ていると、
吸い込まれそうな感じがする。

ただ、この人物は頼朝ではない、
という説もある。

しかし、頼朝であろうとなかろうと、
洗練されていて、素晴らしい肖像画だ。

頼朝の黒い装束の輪郭の角度や、
顔の表情、全体のバランスや雰囲気が、
とても良い。

久し振りに、惚れ惚れする絵(肖像画)に
出会った。

見飽きない。

肖像画の展示方法もよく考えられている。

壁面いっぱいにガラスのショーケース。

左に「伝源頼朝像」
真ん中に「鳥羽天皇像」
右に「伝平重盛像」。

鳥羽天皇在位の頃から、
武家(平氏や源氏)が力を持ち始めた。

平家の世の中になる。

しかし、平清盛の嫡男である重盛は病死。

源平合戦は、源氏の勝利に終わり、
その後、頼朝は鎌倉幕府を開く。

この3つの肖像画を見ているだけで、
歴史の大きなうねりを感じる。

他に、雪舟の「天橋立図」も展示されていて、
殆どが国宝や重要文化財であり、
見所満載の展覧会だった。