初めてそら豆氏に会ったときだ。
久しぶりに胸の中のチェック音が聞こえた。
もうちょっと知りたいなぁ、ちょっとだけ試してみたいなぁ・・・・・
そんな気分にさせてくれる男って、なかなかいない。
「初めて会った時、すごくキスしたそうな顔してた」
そう、後で言われた私。
全部お見通し。
でもね、あの時いい香りがしたんだ。
いい男が醸し出す香りが・・・・・・
衣香襟影 ・・・ 綺麗に化粧した女に咥えさせるの、好きなんだ
初めて会った日から、私はそら豆氏に「アヒルちゃん」と呼ばれている。
口元がアヒルに似てたらしい。
名前を呼ばれるのもドキドキするけど、そんなニックネームも嬉しい。
あまり好きじゃなかった自分の口元も、鏡を見るのが楽しくなったくらい。
お腹を満たした後に向かうのは、二人になれる場所。
店を出た後も、私は手を引かれるままに歩く。
心から信じていいのか、どうなのか、まだまだそら豆氏にはわからないことで溢れてる。
でも、いつもは頑なな心の中の何かが、自分に許していた。
「アナタの思うままでいいんじゃない?」って。
引かれた手は、そのままホテルに導かれる。
少なくともそら豆氏は躊躇してるようには見えなかった。
手を引いている相手が妊婦でも・・・・・・
「眞子、おいで」
部屋に入って後ろからギュッと抱きしめた後にくれるのは、唇の愛撫だ。
そら豆氏のくれるキスはとても優しい。
甘い甘い海に浮かんでるみたいな気分になってくる。
激しい波に変化することもなく、安定して与えられる優しい波。
いつまでも欲したくなる唇。
心も体もほぐされたようになって唇を離す。
ぼんやりとした顔をあげると、キスとは裏腹に意地悪っぽい顔のそら豆氏がいた。
「ねぇ、お口でしてくれる?」
私は静かに頷いた。
男になんて屈服したくないのに、そら豆氏には有無を言わせない何かがある。
奉仕したくなる、そんな男だ。
ベルトをはずすカチャカチャという金属音が、序曲のように響いてくる。
跪いた私は、合図を送るようにそら豆氏を見上げた。
そっと触れた後、優しく握る。
舌先を突き出しペロリと先を舐めた。そのままゆっくり口に含んでいく。
含んだソレは、徐々に本当の大きさを誇示し始めた。
口の中が唾液で溢れてくる。
喉の奥に当たるソレは、思ったより大きくて、苦しくて、むせる。
むせるたびに、瞳が潤んできた。
苦しくて涙が溢れ、視界が歪んで見てくることが楽しくて仕方ない。
まだ自分の中で、掴みどころのないそら豆氏に興味があったのだ。
この人が何をすれば喜ぶのか、気持ちいいのか、知りたかったのかもしれない。
「あぁ・・・・・気持ちいいよ・・・・・・・」
そら豆氏のくれたキスと同じ。
私は、激しくすることもなく、口の中にただゆっくりと、いつまでも続く快感を与えようとしていた。
「アヒルちゃん・・・・・・・咥えてるとこ撮ってもいい?」
そら豆氏のリクエストはどこまで続くんだろう。
でも、多分私は応えてしまう。
そう、全て。