フリーで世界を感動させる演技をしたが、ショートで失敗した浅田真央、実力が発揮できなかった高橋大輔、二人はメダルが獲得できなかった。しかしその無念を羽生結弦が晴らしてくれたのではないだろうか。僕は昨シーズンの羽生の演技をみていて、彼はいずれ世界のフィギュア・スケート界の頂点に立つだろうと思っていた。ただ、こんなに速くそれが実現するとは思わなかった。彼のしなやかで均整のとれた体型、高いスケートの技術、豊かな表現力、ビールマン・スピンやイナバウアーに象徴される柔軟性、甘いマスク、インタビューに対する的確な受け答え、被災地を思いやる優しさ、など、彼にはスターとなる資質が備わっている(少しほめすぎかもしれないが)。今後彼は、浅田真央、鈴木明子、高橋大輔以後の日本のフィギュア・スケート陣を引っ張っていってくれるだろう。