美空ひばり(1937年~1989年)は、「戦後」の映画全盛時代の娯楽映画の大女優であり、歌謡界にあっては数々のヒット曲を残し(1965年「柔」で日本レコード大賞を受賞)、生涯女王のような風格を漂わせていた。「時代」が美空を必要とし、「時代」が育てたという側面はあると思うが、今後美空ほどのエンターテイナーが日本に出現する可能性は、そんなに高くないと思う。僕が美空の歌を聞いていていつも思うことは、美空が大変耳が良く、プロ意識が高いということだ。どんなジャンル(たとえばロックやジャズなど)の歌でも、自分のものにしてしまい、なおかつ聞いている人間を納得さてしまう。そんな美空も病には勝てず、1989年に52歳という若さで亡くなってしまう。しかし、「音楽の神様」は居たと思う。美空の後期と晩年に、「愛燦燦」と「川のながれのように」という名曲を残してくれた。そしてそれは、美空の音楽人生に大きな花を添えた。