スポーツと企業は、従来より密接な関係にあった。企業の発展と共に、スポーツも発展してきた。企業がスポーツのチームを持てば、企業の宣伝になりまた企業のステイタスのアップにつながった。日本ではプロ野球を筆頭に、スポーツのチームの名称には、必ずと言っていいほどオーナー企業名が入っている。しかし、世界のプロ・サッカーやアメリカのメジャー・リーグのチーム名には、オーナーやスポンサーの企業名は入っていない。むしろそのチームの所在地の名称を優先させている。日本初のプロ・サッカーリーグであるJ・リーグを発足させるにあたって、川淵が一番こだわったのは、「世界基準」に照らしてJ・リーグのチームの呼称は、地名とチーム名だけにして企業名を入れないということだった。そのことにより、サッカーがより地域に密着したものになると考えたのだろう。しかし企業からかなりの抵抗があったようで、結局チーム名にスポンサー企業名を入れないかわりに、ユニホームに企業のロゴやマークを入れるということで妥協点を見出したようだ。それから川淵のこだわりのもう一点は、J・リーグのチームにユースなどの下部組織を持たせ、「育成」に力をそそがせるということだった。