僕は、中学一年から吹奏楽を始めた。吹奏楽は、主に吹奏楽のためのオリジナル曲と、クラシックを吹奏楽用にアレンジした曲を練習するため、おのずとクラシックに興味を持つようになり、ベートーベンやチャイコフスキーなどのレコードを買って聞くようになった。そして、クラシックのオーケストラのコンサートを初めて聞きに行く機会が訪れた。それは地元の音楽大学のオーケストラのコンサートだった。やはりそのコンサートで一番印象に残ったのは、弦楽器の音だった。吹奏楽の練習で、木管楽器、金管楽器、打楽器の音は聞き慣れていたが、弦楽器の生の音を聞くのはその時が初めてだった。その音はレコードの音よりも、柔らかく深みがあった。それ以来僕は、コンサートの独特の緊張感と期待感、そしてそれぞれの楽器の生の音を求めて、コンサート会場によく足を運ぶようになった.