ドヴォルザークのアメリカ滞在の期間中に作曲された「新世界交響曲」は、今も昔も人気の高い作品だ。人々は素朴なメロディーになつかしさを感じ、独特のリズムに心を躍らせ、力強いサウンドから多くの勇気を与えられるのだと思う。第2楽章のイングリッシュ・ホーンの有名なメロディーは、後に「家路」という題をつけて「黒人霊歌」に編曲されているが、日本でも昔から多くの人に親しまれてきた。僕はこの交響曲から、特に第1楽章と第4楽章に顕著に表れているある特色を見出した。それは、金管楽器の強音のユニゾン(複数の楽器が同じ音を演奏すること)が多用されているということだ。強音のユニゾンによるメロディーは、聞く者の胸にストレートに迫ってくる。そしてある種のカタルシスを与えてくれる。「新世界交響曲」の魅力は、その辺にもあるのではないかと思う。この作品は、これからも世界中の人々から愛され続けていく作品だと思う。