イタリアのクラシック音楽には特徴がある。オペラの作曲家はキラ星の如く存在したが、後世に残る「交響曲」の作曲家は僕の記憶にない。また大編成の管弦楽曲の作曲家を挙げると、レスピーギしか思い浮かばない。しかし、イタリアの「バロック音楽」と「オペラ」だけでも世界の音楽ファンを虜にしているのだから、これ以上のことを望むのは少し欲張りかもしれない。レスピーギのローマ三部作(交響詩「ローマの泉」、交響詩「ローマの松」、交響詩「ローマの祭り」)の中の「ローマの松」は、1984年、カラヤンとベルリン・フィルが来日した時、プログラムに入っていた。最近では、「N響アワー」で、イタリア人指揮者のネルロ・サンティの演奏を聞いた。「ローマの松」は4曲から成るが、最後の「アッピア街道の松」は、大ローマ帝国全盛時代の軍隊の凱旋を想定した堂々たる曲だ。クライマックスまでの盛り上げ方は見事で、コンサートの最後にこれを聞いたお客は、「ブラボー」と声をあげ大拍手を送りたくなると思う。