日本では、歌がうまくなくても、「アイドル歌手」としてもてはやされ、マスコミをにぎわかし、次から次へとCDをリリースしてゆくという現象がある(アメリカの音楽界では、そういう話はあまり耳にしない)。僕はそれを批判しているわけではない。「アイドル歌手」の生み出す「経済効果」は莫大であり、それによって、プロの作曲家、作詞家、編曲家、ミュージシャンなどの仕事も成り立っている。また「アイドル歌手」の歌を聞いて癒されている人もいる。「アイドル路線」はいつ頃から始まったか考えてみた。男性の場合は、1962年に初代ジャニーズ(あおい輝彦、真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良)が結成され、また、1964年西郷輝彦(初代御三家の一人であるが、橋幸雄と舟木一夫は歌がうまい)が「君だけを」でデビューした頃からだと思う。歌のうまい人が、プロの歌手に成るのが当たり前だと思っていたので、初めて西郷輝彦の歌を聞いた時、あまりうまくないなと不思議に思った。女性では、1970年前半に、天地真理が国民的アイドルとなり、後に続く「アイドル歌手」の基本的スタイルを確立したとされる。