第一楽章の途中から、トランペットなどの3連音符に乗せて、オーケストラが朗々とメロディーを鳴り響かせるところがある。これは、大変印象的なフレーズで、ベートーベンの作曲ではないのだけれど、さしむき、「ヴァイオリン協奏曲」版の「皇帝」といった趣がある。この第一楽章の最後の箇所も気に入っている。ソロ・ヴァイオリンがオーケストラのヴァイオリンと一緒に同じメロディーを弾く所がある。もちろんあいだあいだで、ソロ・ヴァイオリンが別の動きをするのだが、見ていて、いかにも「協奏曲」という感じが、よく伝わってくる。自分が好きだというのもあるが、数ある「ヴァイオリン協奏曲」の中でも、聞く機会の多い作品だ。