フィギュアスケートの安藤美姫がこの作品をバックに演技をしたことがある。「シェエラザード」とは、もちろん「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」に登場する、シャフリヤール王に千一夜に渡って物語を聞かせた王妃のことだ。本当にこの作品を聞いていると、物語の中に入り込んでしまう。しかし、リムスキー・コルサコフのオーケストレーションは凄い。ラベルに負けてはいない。リムスキー・コルサコフは若い頃海軍の軍人として、遠洋航海に出た経験があるらしい。確かに、第一楽章の「海とシンドバッドの航海」などの海の様々な表現は、体験した者だけにしかなし得ないものだと思う。僕は、当時大変評判のよかったピエール・モントゥー指揮のロンドン交響楽団のレコードを買った。その後、この作品は色んな演奏を何度となく聞いいるが、管楽器のダブル・タンギングやトリプル・タンギングを駆使した音の歯切れの良さだけをとっても、モントゥー・ロンドン響版は、群を抜いている。