帰省した際、従兄弟の叔父と兄から話を受けて震災ボランティアの活動を2日間する事になった。
去年の3月11日。その3日後に両親の無事を確認すると一安心し、それから1年半も帰らずにいてしまった。現在の仕事を一区切りつけてから退職しようと考えていたのが…忙しさにかまけて気付けばそれ位になっていた。
もう一つは被災した故郷を見たくないという気持ちから、帰る事が躊躇われたところも少しある。
2日目は、海辺の家の瓦礫撤去と草刈り作業。日曜という事もあり、新潟や広島から来たという人や中学生30人位の団体も参加していた。
1年半も経つと畑の他にも家の跡地や歩道に草は生えてくる。
荒れ果てた畑の草を刈り、数箇所に集めて燃やす。レンガやガラスを一箇所にまとめ、廃材や鉄パイプを分別する。40人位かけてやっと1軒終わる作業であった。
一息つこうと丘から海を眺め、
ゆっくりと深呼吸をする。
その時かすかに頭をよぎったのは、見渡す限りのサトウキビを刈り取るあの映画だった。
沖縄の離島でサトウキビを刈るアルバイトに集まった若者たち。
皆それぞれに人に言えない事情を抱えており、作業が進むにつれて互いに無関心だった7人の間に反発や共感など微妙な変化が生じてくる。
やがて皆の間に団結心が芽生え、期日に間に合わせる為に起床時間を早めたり、作業のピッチがどんどん早くなる。
観ている自分までも彼らと同じ作業をしている気持ちになり、期日までに完了するのかとハラハラしてしまう。
「なんくるないさ~」
想像以上に過酷な作業と現実に打ちのめされる若者たちにかけたおじいの言葉にほっこりする。
「朝は来るんだ…」
劇中でほとんど喋らない長澤まさみさん演じる女子高生の一言が心に染みる。
この映画が初出演だった香理奈さん演じる「ひなみ」は、実に瑞々しい魅力を放っていた。
谷原章介さん演じる年長者の男と海辺で語り合うシーンで、腕を伸ばし大きく深呼吸をする二人が印象深い。
あの映画では、高さ3mくらいに見えたキビに驚いたものだ。その半分の高さの雑草を刈り取り、そんな事を思ったりしながら作業を進める。
少し早めのお昼をとる。
叔父と兄と3人で高台に移転した地元では馴染みの店「みつわ」に向かった。
そういえば、高校の合格発表を同級生6人で見に行った帰り、「みつわ」でラーメンを食べた事を思い出した。
昼食を終え、午後からの仕事の前に一息つこうと丘から海を眺め、目一杯に深呼吸をする。
さて、これから未来(さき)どうするか。
まずは大きく腕を空に伸ばし、
充分に深呼吸をしてから、
それから…じっくり考えよう。
P.S 「深呼吸の必要」がある皆様へ
この映画のタイトルは、詩人の長田弘さんが綴った同名の詩集に因んでいる。
主題歌はマイリトルラバーの16枚目のシングル「風と空のキリム」に収められている。
深呼吸の必要…なんともいい題名ではないか。
久し振りにマイラバが聴きたくなった者より



