- あの頃、教室の見えない空気を
- 感じ取った経験のある全ての人へ、
- 読んで欲しい本、そして観て欲しい映画だ。
高校に入って状況は一変した。
教室の人数が倍近くに増えた事、
A~Fまでのクラスの多さと同級生の数、
数多くの部活動、全校生徒約700人。
私は、はじめこそ意気揚々とこれからの新生活に思いを馳せていたが、次第に萎縮していき、気が付いたら身動きがとれなくなっていた。
始めは皆が平等であったはずなのに、
いつの間にか決まっていた教室での力関係。
それはじわじわと浸透し、1学期が終わる頃には40人の階級制度を形成していった。
クラスの上位階層、いわゆる特権階級の人間。
それは男女グループそれぞれに存在し、クラスの空気を支配する。
上位グループに怯えながらも一定の距離を保ち、目を付けられないように気を配り、
穏やかな生活を送ろうとするその他大勢の人間。
私はその階級制度を人一倍感じ、その事に絶望したのだ。自分の階級を見誤った私は、いつしか最下層に転落していた。
苛められていたわけでもなく、それなりに話しかけてくれる友人もいた。
ただ、私の望む高校生活はもう送れなかった。
何度も立て直そうとは努めた。
髪を染めたり、制服をいじったり、洒落たバックを買ったり、いわゆる二学期デビューってやつを何度も試みた。
それでも、自分自身が変わらなければ意味のない事だった。外見だけの虚栄心はゆっくりと綻び、元のクラスの定位置に戻っていく。
程なく絶望した私は高校生活を諦め、早く卒業して遠くへ、誰も知らない世界での再出発を切望した。
そう思い始めてから卒業までは、永遠に続くのではないかという位に長く感じた。
思えばあの頃に…
本を沢山読んでおけばよかった。
卒業間近、帰り際にベランダから唐突に声をかけられた。
それは入学してまだ間もない頃、友人を作ろうと勇気を振り絞って話しかけた前の席のあいつだった。
あいつは、どこか人を惹き付ける魅力と一目置かれる存在感を放っていた。
その気質も相まって上位グループに属し、この3年間を我が物顔で自由気ままに過ごしてきた。
ベランダから見下ろす図式が、そのまま私達の関係だった。
私は見下されていたのだと思う。誰かに甞められたら終わりだった。後は堕ちるところまでいくのみだ。
いま思えば…
私はあいつになりたかったのかもしれない。
P.S この本をこの映画を理解できる人たちへ
原作は登場人物名を各章のタイトルにしたオムニバス形式。
映画はそれを曜日ごとの章立てに変え、時間軸を再構築しエピソードをまとめた仕上がりに。
それにしても…
桐島=キリストという書評には感嘆した。
「キリスト、人間やめるってよ」より



