ぼやきくっくり」さんのブログ記事で知った『新軍事学入門』なる本。

 

新軍事学入門 新軍事学入門
 
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昨年購入したんですが、手に入れると“いつでも読める”のでほったらかしにしていました。

でも半島情勢が緊迫化してきましたので、意を決して読みました。

 

で、結論からいうと・・・ショックorz 日本は世界でも進んでいる国ですが、軍事や軍事関する知識、感覚は遅れていると言うしかないです。だって政治家や外交官、国際政治学者らが軍事学オンチだったり軍事学を軽んじてる今の状況だと日本はお先真っ暗だと感じないほうがおかしいと思います。

 

さて、まず本書のはじめに、日本の軍事論は国際政治学と国際関係論の枠内で止まっており、戦争戦略を学ぶ機会もないので、真の意味での軍事学、勝利するための『戦争の基本』が欠けているとのことでした。

国際関係論で過去の戦争の教訓を学び、国際政治学で戦争を避けるための外交交渉を学ぶことは大切だけど、交渉が決裂して戦争に至った時に備えて、軍事学に基づいた勝つ方法を考えなければ日本は生き残れないという、聞き手小峰隆生氏の憂いがひしひしと伝わってきました。

 

私はこの本を読むまで、日本は決して欧米より遅れていないし、もし日本国内で有事が起きても自衛隊なら何とかしてくれる!と思っていたんですが・・・現実はそう甘くはありません。どよーん・汗

確かに自衛隊の能力、自衛官の個々の士気の高さは米軍も高く評価していまいますし、米軍にはない強みが自衛隊にはあるとのこと。

でも、演習内容(想定)が「いや、もうそんな戦術、米軍も人民解放軍もしないし・・・」なことをしているとか。

日本は専守防衛なので、攻撃を受けたり、侵入されないと反撃に出られないので仕方ないのですが、元米軍関係者らが言うには「想定、戦略が約70年前で止まっている」し、自軍の犠牲を最小限にするため爆撃やミサイルで敵を殲滅した後で兵を投入するのだそうです。

とにかく敵の上陸を許した時点でダメ。敵を近寄らせないためのあらゆる対策を取るべきだと。

そしてヒゲの隊長こと、佐藤正久参議院議員の取材で「えー顔 でも、やっぱりそうかぁがくっ」と思ったのが、“日本には国家戦略がない”ということ。でも国家安全保障戦略はあるという「順番間違えない?」なことをしています。ただし、国家安全保障戦略ができたので防衛大綱と中期防衛力整備計画を作ることができたので、以前よりはマシになったそうです。苦笑い (なお、国家目標はあるそうです。「繁栄と生存」だとか。呆然

国家戦略がないため、外交大綱もない、故に外交戦略がなく、単年度の外交目標しかないので、外務省は目先のことしか考えていないと言えます。

海外で有事が起きた際、現地邦人の救出を他国に頼るという情けなさはここから来るもんなんでしょうねぇ。( ̄_ ̄)

そして日本の弱腰外交、土下座外交も交渉の行きつく先が「平和」しかないから、こんな様なんだと改めて認識しました。

 

でも、北朝鮮からのミサイルの脅威、ほぼ毎日のように尖閣諸島や五島列島付近に領海侵犯を繰り返すチャイナの偽装(武装)漁船の影響で、日本人の危機意識が目覚めだしたのは“不幸中の幸い”なのかもしれません。

 

私のような一般人が軍事学を学んでも活かす場面はありませんが、こうやってブログに上げて少しづつでも一般人の意識改革ができればと思った次第です。

 

本来であれば相当数の政治家や外交官は当然知っておくべき軍事学だと思うのですが、どうもミリオタの延長線上と軽視しているそうで・・・。もちろん今の現状に危機感を持って、現行法でも可能な限りの国防、外交を考えている政府関係者や外交官もいると思いますが、実現させるためには有権者の後押しも必要だと思います。

 

聞き手の小峰氏が元米陸軍大尉、米空軍予備役中佐、米シンクタンク海軍戦略アドバイザー、元外務省主任分析官佐藤優氏、佐藤正久参議院議員にそれぞれ話を聞き、それをまとめたものがこの本です。(※佐藤優氏の話は話半分で十分です。だって怪しいんだもの。)

軍備や軍事戦略に関して全くのド素人の私でも理解できました。

お勧めです。ドヤ

 

最後に小峰氏が出演しているカツヤマサヒコショーをご紹介。この本に関する話もあります。

ラジオパーソナリティも務めた方だからか喋らせても面白いです。爆笑

 

 

 

 


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